はじめに|シューズ選びで悩むのは当然です
「ランニングシューズは何足あればいいの?」
この質問、ランナーなら一度は考えたことがあるのではないでしょうか。
ランニングを続けていると自然と湧いてくる疑問ですね。
1足だけで何百キロも走り込んでいる人、用途ごとに複数のシューズを使い分けている人もいらっしゃるかと思います。
どちらが正解なのか、答えがないからこそ迷ってしまう問題でもあります。
私自身、この件について試行錯誤を続けてきました。
現在はアディダス アディゼロ ボストン12、アシックス エボライドスピード3、プーマ ヴェロシティ ニトロ3、プーマ ディヴィエイト ニトロ3の4足をローテーションしています。
アディゼロ ボストン12
エボライドスピード3
ヴェロシティ ニトロ3
ディヴィエイト ニトロ3
先日CASIO × ASICSモーションセンサーでプーマ ヴェロシティ ニトロ3のランニングデータを測定する機会がありました。
この機会に「ランニングシューズの所有数」について、実際のデータと私の体験をもとに、じっくり考えてみたいと思います。
プーマ ヴェロシティ ニトロ3で走ってみた結果|数値で見えてくるシューズの個性

まずは9/23に計測したヴェロシティ ニトロ3での計測結果から見ていきましょう。
CASIO × ASICSモーションセンサーで測定したデータには、いろいろな発見がありました。
今回のポイント|左右差がはっきり出たプーマ ヴェロシティ ニトロ3
右足の数値が高めに出ている「ピッチ」

ピッチ:左174 / 右180
これまでの測定と同様、右の回転数が高めに出ています。左脚の蹴り出し時間が172msと長めなので、右脚がそのテンポに合わせる形で調整していることがうかがえます。無意識のうちにバランスを取ろうとしていることが数値からうかがえます。
ストライドの数値は、利き足の左側が大きい
ストライド:左1.14 / 右1.10
左脚のストライドがやや大きめ。数値だけ見ると差異は少なそうに思えますが、上下動の左右の差異(左9.8/右7.2)とかなり大きいため、実際の走りでは左右差が出ているかもしれません。

左脚設置時に大きく跳ね上がる

上下動:左9.8 / 右7.2
ここが今回最も気になったポイントです。左脚接地の際に大きく跳ね上がってしまう傾向があるようです。身長比で計算すると左が5.4%、右が3.9%とその差が1.5ポイントとかなり顕著に現れています。
骨盤の揺さぶりは左右とも大きめ
骨盤の左右傾き:左 9.1 / 右 8.8
ヴェロシティ ニトロ3は柔らかさと安定性を両立させたシューズであることは、過去記事の6カ月レビューでも紹介しています。しかしこの数値を見る限り、シューズ本来の特長が発揮されていないといえます。

アンバランスな着地衝撃。右への負担は続いている

着地衝撃:左 24.0 / 右 29.0
右脚により強い衝撃が生じているようです。これまでの測定でも右側に負担がかかる傾向が続いており、気になるところです。
右脚がブレーキをかけている?
減速量:左 0.53 / 右 0.70
右脚のほうがブレーキが強く、接地時にスムーズに抜けられていない状況が数値に現れています。これも右脚への負担増加の一因かもしれません。

シューズによってここまで変わる|左右差の出方に驚き
今回特に興味深かったのは、ヴェロシティ ニトロ3の意外な側面。

「柔らかさと快適さ重視」のシューズでありながら、その特性が骨盤の揺れや左右の上下動差を強調する結果につながったことです。
前日の9月22日に測定したプーマ ディヴィエイト ニトロ3では上下動差が2.2(左9.1 / 右6.9)だったのに対し、今回の測定でヴェロシティ ニトロ3は上下動差が2.6(左9.8 / 右7.2)と拡大しています。
これまでの記録と照らし合わせてみると、シューズごとの特徴がはっきりと見えてきます:
プーマ ヴェロシティ ニトロ3を実際に履いて走った感想|数値と体感の一致

✅ 快適さは申し分ない:長時間履いていても足が疲れにくく、クッション性は抜群
✅ ただし安定性には課題:ボストン12やエボライドスピード3と比較すると、どうしても「安定性」で劣る
✅ 特徴的な組み合わせが出やすい:左脚の上下動+右脚のブレーキが出やすいので、長距離や速いペースの練習には不向き
✅ 推進力はしっかり確保:蹴り出し加速度は両脚とも57以上と高水準。前に進む力はしっかりと出せている
数値で見ると気になる部分もありますが、日常的なジョギングやLSDでの使い心地は本当に良いシューズです。
1足派 vs 複数派|それぞれのメリット・デメリットを正直に比較
1足を使う場合|シンプルだからこその良さもある
◎ メリット
経済的負担が少ない:シンプルに出費を抑えられるのは大きなメリットです
迷わない安心感:履き慣れたシューズなので、毎回安心して走ることができます
選択に悩む時間がゼロ:「今日はどのシューズにしよう?」と考える必要がありません
✕ デメリット
ソール劣化のスピードが早い:集中的に使うことで、結果的に買い替えの頻度が高くなり、コスト面でのメリットが減る可能性があります
対応できる練習の幅が限られる:シューズの機能や特性に頼る機会が少ないため、距離・スピード・路面状況への適応力が弱まります
偏りが蓄積されやすい:左右差やフォームの癖がシューズの摩耗パターンにそのまま反映され、さらにその偏りが強化されるリスクがあります
複数足を使い分ける場合|私の体験から
複数足を持つことで見えてきたメリット
シューズごとの特徴を最大限に活かせる
現在愛用している4足は、それぞれまったく異なる特性を持っています
フォーム改善の大きな助けになる
「シューズを変えるだけで左右差の出方が変わる」という実感は、複数足を使って初めて得られる貴重な体験でした。
例えば、アシックス エボライドスピード3で上下動を抑える感覚をつかんでから、他のシューズを履いた時にもその意識をいかせるようになりました。
シューズがフォームコーチのような役割を果たしてくれます。
故障リスクを分散できる
1足で走り続けると、どうしても偏った疲労が特定の部位に蓄積しがちです。
でも、シューズをローテーションすることで負担を分散できるようになりました。
プーマ ディヴィエイト ニトロ3を導入してからは、土踏まずやふくらはぎの疲れが明らかに軽減されています。
これは体感としても数値としても実感できる変化でした。
実際のラインナップと使い分け|私の現在のローテーション
現在の私のシューズ使い分けパターンは、こんな感じで落ち着いています。
合計4足でローテーションしているのが現在のスタイルです。
最初は「4足も要らないのでは?」と思っていましたが、実際に使い分けてみると、それぞれに明確な役割があることがわかりました。
この4足のローテーション戦略については、[別の記事]で「ランニングシューズは何足必要か」という視点から詳しく解説しています。
プーマ ディヴィエイト ニトロ3について詳しく|最近のお気に入りを深掘り
ここで、最近特に気に入っているプーマ ディヴィエイト ニトロ3について、もう少し詳しくお話ししたいと思います。

推進力と安定性のバランスが絶妙すぎる
カーボンプレート内蔵なので、スピードに乗せやすく、推進力をしっかりと得ることができます。
でも、ヴェロシティ ニトロ3ほどの柔らかさはないものの、接地時の安定感は高いレベルを保っています。
実際の計測データでも、上下動差は2.2(左9.1 / 右6.9)と、ヴェロシティ ニトロ3ほど極端な差は出ませんでした。
この「ちょうど良いバランス感覚」が、プーマ ディヴィエイト ニトロ3の最大の魅力だと感じています。
左右差は中程度に収まってくれる
アディダス アディゼロ ボストン12ほど完璧に整うわけではありません。
でも、プーマ ヴェロシティ ニトロ3ほど大きく崩れることもない、絶妙なポジションを保ってくれます。
ピッチやストライドの左右差がやや残るものの、走行後の足裏やふくらはぎの疲労が明らかに減っていることからも、効率の良い動きに自然と導いてくれている感覚があります。
蹴り出しの強さが魅力的
蹴り出し加速度(左47.9 / 右49.2)は、安定して高い水準を維持しています。
踏み込みから反発へとつながる一連の流れがとてもスムーズで、「前に運ばれる」感覚がボストン12やヴェロシティ ニトロ3よりも強く感じられます。
この「運ばれる感覚」は、特にテンポ走やビルドアップ走の時に威力を発揮してくれます。
長時間でも脚への負担が軽い
実体験として最も印象的だったのは、土踏まずやふくらはぎの疲れが少なくなったことです。
これは、カーボンプレート+Nitroフォームの組み合わせが推進力を補助して、脚の負担を軽減してくれているためだと感じています。
長距離を走る時の安心感が、他のシューズとは明らかに違います。
各シューズの位置づけを整理すると|私なりの特徴まとめ
これまでの経験を踏まえて、各シューズの特徴を整理してみました
言い換えると、レースやペース走など、負荷の高い練習で本当に頼れる1足がプーマ ディヴィエイト ニトロ3という位置づけになっています。
複数そろえるときに大事なこと|失敗から学んだ教訓
失敗を恐れる必要はまったくありません
「最初から完璧なラインナップを組まなければ」と思いがちですが、それは現実的ではありません。
自分の足に合う・合わないは、実際に履いて何キロか走ってみないとわからないものです。「思ったより重かった」「クッションが柔らかすぎて不安定だった」「期待していた反発力が感じられなかった」──こうした気づきは、すべて貴重な経験値として蓄積されていきます。
私の実体験から学んだこと|試行錯誤の価値

価格重視でプーマ ヴェロシティ ニトロ3を選択した結果
耐久性については大満足の結果でした。
800km走行の耐久性は実感できています。
推進力を求めてプーマ ディヴィエイト ニトロ3を導入した結果
期待していたスピード感は確実に得ることができました。
でも最初の数回は安定性に違和感があり、「自分にはオーバースペックかもしれない」と感じていました。
慣れるまでに少し時間が必要でしたが、今では一番頼りにしている1足です。


アディダス アディゼロ ボストン12で「安定性の大切さ」を再認識
左右差の少なさは、数値でも体感でも明確に実感できました。
「安定したシューズ」の価値を改めて理解できた体験でした。
アシックス エボライドスピード3で新たな発見を得た
「上下動や接地感を意識的に変えることで、フォーム改善につながる」という発見は、このシューズがあったからこそ得られた気づきでした。

好みや予算で選ぶのは、まったく問題ありません。むしろ、そうした選択の中で「このシューズは自分に本当に合っていた」「これは期待と違っていた」ということがはっきりわかることが、一番の収穫だと思います。
失敗や予想外の結果を通じて、自分にとっての”理想的なラインナップ”が少しずつ見えてくる──これこそが、複数足を試す醍醐味なのです。
まとめ|「必要な足数」は人それぞれだけど、複数所有の価値は確実にあります
目安となる足数|ランニング頻度別に考えてみる
週1〜2回のランナー → 1〜2足あれば十分に楽しめます
週3〜5回しっかり走る → 2〜3足あると練習の幅が広がって安心です
フォーム改善やシリアスな記録向上に取り組む → 3〜4足のローテーションがおすすめです
私なりの結論|長く走り続けるための投資として
用途やその日のコンディションに応じてシューズを履き分けることは、「長く走り続けるための投資」だと実感しています。
複数足を持つことで得られる最大の価値は、「自分に合うシューズ選びの学びが加速する」ことです。1足だけでは得られない、貴重な気づきや発見が必ずあります。
ランニングシューズは単なる道具ではありません
「走り方」「左右差」「疲労感」「フォーム」──これらすべてに大きな影響を与える、重要なパートナーです。
もちろん、1足で走り続けるスタイルも決して悪いものではありません。でも、複数足を使い分けることで、より快適に、より効率よく、そしてより長期間にわたって走り続けることができるようになります。
最後に|実際に複数のシューズを試して気づいたこと
実際に複数のシューズを試し、データを取り、体感を重ねてきたからこそ確信を持って言えることは、「シューズを変えると走り方も確実に変わる」という事実です。
この発見は、より充実したランニングライフ、そしてより良い記録や体調管理につながっていくのではないでしょうか。
あなたも、もし迷っているなら、少しずつでも複数足を試してみることをおすすめします。きっと、新しい発見があるはずです。



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