1. はじめに 〜ガーミンの魅力は、表示の自由度〜
Garminのランニングウォッチは、ランニング中のデータ取得・分析の精度だけでなく、日常の「視認性」と「カスタマイズ性」の高さにも定評があります。
その中でも、「ウォッチフェイス(文字盤)」のカスタマイズは、ランナーはもちろん、普段使いでも個性や利便性を発揮できる重要なポイントです。
この記事では、筆者がGarmin Forerunner 265を使いながら実際にインストール・使用してきたウォッチフェイスの中から、特徴が異なるものをピックアップして紹介。
見た目だけでなく、実用面・操作面のリアルな感想もレビュー形式でまとめました。
2. ウォッチフェイスの基本情報とダウンロード方法
Garminのウォッチフェイスは「自分で作る」こともできますが、多くのユーザーは既存のデザインを「Connect IQ」アプリからダウンロードして利用します。
無料のものから有料のものまであり、自分の用途や好みに合わせて選ぶことができます。
設定は以下の流れで行います。
ウォッチフェイス設定の流れ(Forerunner 265の場合)
ここで紹介する手順はiOSになります。
1. Garmin Connenct IQをスマホにダウンロードする
① App Storeで「コネクトIQ」を検索し、赤枠部分のアプリが表示されたら、「入手」をタップ
② Garmin Connect IQアプリの詳細画面が表示されたら、「入手」をタップ
③「入手」ボタンをタップ後、ダウンロード進行バーが表示され「開く」ボタンが表示されたら完了
2. 気になるウォッチフェイスを検索し、ダウンロードする
Garmin Connect IQアプリ ホーム画面では、ファイス画面のタイプによってカテゴライズされたリストが表示されます。ここでは「人気のアプリ」のリストから「Data Lover」を設定する手順を紹介いたします。
④「人気のアプリ」リストの「すべてを表示」をタップ
⑤「人気のアプリ」が一覧表示されます。リストの中から「Data Lover」をタップ
⑥「Data Lover」の詳細画面が表示されます。「インストール」ボタンタップ
⑦ 情報アクセスの許諾画面が表示されます。「有効」をタップすると、ダウンロードが開始
⑧ インストールが完了すると完了確認画面が表示されます。「OK」をタップ
⑨ スマホのアプリ側でダウンロードが完了すると、ウォッチ側に自動で反映。「Data Lover」がForerunner 265に表示されます
ウォッチ側で直接設定できる項目はほぼないため(ウォッチフェイスによってはウォッチ側で設定可能なものもあります)、細かい表示設定はConnect IQアプリ側から行うのが基本となります。
3. 初期設定では伝わりづらい“ウォッチフェイス選び”のコツ
Garminのマニュアルや公式サイトでは、ウォッチフェイスの選び方について詳しい説明は多くありません。
実際に試してみないと「見やすさ」「情報量」「好みに合うかどうか」がわからないのが正直なところです。
筆者も最初は、Connect IQで目についたものを片っ端から試しました。
結果、「情報が多すぎて見づらい」「色の区別が分かりづらい」「そもそもウォッチに合っていない」といった失敗も多数。
だからこそ、実際に使ってみたレビューは貴重な判断材料になります。
4. 実際に使用したウォッチフェイスのレビュー
ここでは筆者が実際にForerunner 265で使ってきたウォッチフェイスの中から、見た目の好み・視認性・情報量などが異なるタイプを随時紹介していきます。
Crystal
日中の画面
夜間の画面
視認性の良い時計表示と、アイコンサイズで控えめに表示されるデータ項目が特徴のウォッチフェイスです。
設定項目が比較的少ないため、ウォッチフェイスの設定に慣れるにはちょうど良いと感じました。
文字盤はブルー、レッド、ピンク、イエロー、グリーン、オレンジ、モノカラーなどから、背景色はDarkのブラック、Lightのホワイトの組み合わせで計15パターンから設定できます
画面中央には24時間表示の時刻が配置されています。
表示形式はゼロ表示を加えるかどうかの設定が可能。
例えば8時30分の場合、「0830」と表示するか「830」と表示するかが選択できます。
時刻表示の上部には、任意のデータ項目を3つまで表示可能。
初期設定では左から「心拍数」「バッテリー残量」「通知件数」が並びます。
画面左右にはメーター形式の表示エリアがあり、ここには「歩数」「階段昇降数」「消費カロリー」などを割り当てることができます。
目標達成度が視覚的に表示されるため、日々の進捗確認にも便利です。
データ項目は合計5つまで設定可能です。頻繁に確認したい項目は左右のプログレスバー付きエリアに配置し、それ以外は時刻上部に割り当てると、視認性とバランスの両面で扱いやすくなります。
Enduro2 MB (2025年6月14日更新)
日中の画面
夜間の画面
出典:https://www.garmin.co.jp/
Enduro2 MBは、2022年8月に発売された「Enduro2」のウォッチフェイスを再現したもので、ウルトラランなどの長距離競技を想定したシンプルかつ実用的なデザインが特徴です。
Enduro2本体はすでに販売終了となっていますが、こうした過去モデルのウォッチフェイスを最新のGarminウォッチで楽しめるのも、Connect IQならではの魅力です。
画面構成は上下3分割。
中央に大きく配置された時刻表示に対し、その他のデータはあえて小さめに表示されており、視認性と情報整理のバランスが秀逸です。
画面上部には「VO2max」数値とそのレベルを示すカラーバーが表示されます。
トレーニングの成果をパッと見で把握できるのが便利です。
下部には左に消費カロリー、右に日の出・日の入りの時刻、その下にステップ数がコンパクトに並び、トレイルランなどで重視したい情報が最小限に集約されています。
カラーは「カラースキーム」から8パターンが選択可能。文字色や背景、ラインカラーなどがスキームごとに設定されており、モノトーンからビビッドな配色まで幅広く楽しめます。
Color Scheme[Hulk]
Color Scheme[Ice]
Color Scheme[Fire]
Color Scheme[Custom]
さらに「Custom」を選べば、文字色やアイコンカラーなどを個別に調整することも可能です
デフォルト設定では下記のとおりです。
背景色:ブラック
データカラー1:ホワイト
データカラー2:イエロー
タイムカラー1:ホワイト
タイムカラー2:イエロー
秒カラー:イエロー など
Horizon 日本 (2025年6月18日更新)
日中の画面
夜間の画面
Garminウォッチのウォッチフェイスの多くは英語表記が基本ですが、「Horizon日本」はその名のとおり、日本語表示に対応しています。
英語に慣れていない方でも直感的に使いやすいのが魅力です。
細かい表示項目のカスタマイズが可能で、設定変更によるレイアウトの崩れも起きにくい設計。
私自身、さまざまなウォッチフェイスを試してきましたが、最終的にはこの「Horizon日本」をもっとも長く使い続けています。
お気に入りポイント
心拍数がリアルタイムで確認できる
画面右上にハートのアイコン付きで心拍数を常時表示できるため、階段の昇降やランニング直後の確認に便利です。
画面レイアウトが見やすく整っている
全体は大きく上下3分割されており、
- 最上部には4つのデータをアイコン付きで表示
- 中央には時刻表示(フォント変更可)
- 下部の「サークルビュー」には円弧状に天気、日の出・日の入り、ボディバッテリーなどを配置可能
時刻表示のフォントは数種類から選べます。ただし、秒数が画面からはみ出してしまうフォントもあるため、私は標準フォントのまま使用しています。
Fallout (2025年6月20日更新)
日中の画面
夜間の画面
「Fallout」は、Garminウォッチフェイスの中でも高い機能性と美しいインターフェースを兼ね備えたデザインが魅力です。
基本機能だけでも十分に使えますが、本領を発揮するのは「Proキー(有償)」を購入してカスタマイズしたとき。UIの完成度と拡張性の高さを感じます。
まずは試用期間(3日間)を活用して、自分のGarminに合うかを確かめてみてください。私自身も試用期間中に徹底的に使い倒してみて、その完成度の高さに驚かされました。
使ってみてわかったFalloutの魅力
洗練されたデフォルトデザイン
ホワイトのテキストとアイコンに、レッドをアクセントとした配色。
見た目にもスタイリッシュで、視認性も高く保たれています。
周囲の目盛りリングはカスタム可能
画面外周には円形リングが配置され、デフォルトでは「ステップ数」が割り当てられています。
ここは「秒針(Seconds)」や「心拍数」「バッテリー残量」「リカバリー時間」「ボディバッテリー」など、全13種から選択可能。
個人的には秒針表示がかなり便利でした。
下の画像はコネクトIGにあるFalloutの「Ring」の設定画面。
目盛りの色、リングの背景色、リングのマーカー色など細かな設定も可能となっています。
Sun Path(太陽の動き)表示もユニーク
外周の1/4に配置される「Sun Path」機能は、黄色が昼間、水色が夜間、赤い矢印が現在時刻を示しており、直感的に時間帯が把握できます。
設定によって位置の切り替えや非表示も可能です(非表示設定は -1)。
シンプルにも、高密度にも対応
Sun Pathを非表示にすると、画面全体がグレーとレッドの2トーンに変わり、よりミニマルな印象に。
設定次第で印象がガラリと変わるため、飽きずに使い続けられます。
上部・下部のデータ領域も秀逸
同心円を上下に3分割する構成で、限られたスペースに情報を効率的に配置しながらも、視認性を損なわないバランスが絶妙です。
注意点:Proキーでしか使えない機能も
唯一の難点を挙げるとすれば、画面右下の「Bottom Right Data」はProキー購入者しか使用できない点です。試用期間中はすべての情報が表示されますが、期限が切れるとカギアイコンが点滅して非表示に。
非表示のままでも使えますが、表示領域に空白が生じてしまうため、UIとしてはやや不完全な印象になります。見た目の完成度を求めるなら、Proキーの購入も検討してみてください。
5. まとめ 〜選ぶのが楽しい=使い続けたくなる〜
Garminウォッチの魅力のひとつが、「自分の使い方に合った画面を選べる」という点です。ウォッチフェイスは、純粋な情報端末としての機能だけでなく、「毎日使うモチベーション」にも直結します。
自分にとっての正解は、実際に使ってみないと分からない部分も多いですが、この記事のレビューが選定の参考になれば幸いです。
ウォッチフェイスは今後も随時試し、レビューを追加・更新していく予定です。
コメント