ランニングフォーム改善の新視点(2)|シューズ選びで変わる左右差と改善のヒント

左右差データ・実走比較 ランニング・トレーニング
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ランニングをしていると、どうしても気になるのは、「距離」「ペース」「心拍数」といった数値。

私もずっとその3つばかりを気にして走っていました。

ガーミンコネクトのランニング計測データ画面

しかしある日、CASIO × ASICS モーションセンサーの計測データを見て驚きました。

自分のランニングフォームに大きな左右差があることが、はっきりと数値で出ていたのです。

走っている最中は全く自覚がなかったので、正直かなりの衝撃でした。

「これは単なるクセなのか?それとも過去のケガや利き足の影響なのか?」

ここから、私の“フォーム改善チャレンジ”が始まりました。

 

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ランニングフォームの左右差、どうやって見つける?

これまで「なんとなく右足が疲れやすい」程度の認識しかありませんでしたが、CASIO × ASICS モーションセンサーのデータを見た瞬間、その「なんとなく」が具体的な数字として目の前に現れました。

ある日のトレッドミル走では、こんな数値が出ていました。

計測データの一例・ストライドの左右差

ピッチの差:左167 spmに対して、右は178 spm。たった11の差ですが、何千歩、何万歩と積み重ねれば決して小さな違いではありません。※spm(step per minute):1分当たりの歩数
上下動の差:左9.3cm/右7.2cm
着地衝撃の差:左23.7/右25.1
接地時間の差:左255ms/右246ms
「右足により強い負担がかかっている」ことが一目瞭然でした。

これでは効率が悪いだけでなく、ケガのリスクも高まりそうです。

疲労がたまった時に、右ふくらはぎだけに痛みがあったのもうなずけます。

 

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私が試したフォーム改善と、その効果

この左右差を初めて発見した9月3日から、早速改善に取り組みました。

その間に見えた変化を時系列で詳しく記録してみます。

9月3日:衝撃のデータを見た日

この日はトレッドミルでのトレーニングをいつも通り行うつもりでした。

走り終わってデータを見ていたら、目を疑うような数字が並んでいたのです。

「まさか自分の走りがこんなにアンバランスだったとは」。

長年感じていた右足の疲労の謎が一気に解けた瞬間でもありました。

ピッチ差:左168 vs 右179 spm
上下動差:左9.8cm vs 右7.1cm

右足に負担が集中していることが数値で明確に示されており、走っているときには全く自覚がなかっただけに大きな衝撃でした。

9月4日〜10日:原因を探っていろいろ試した1週間

「なぜこんな差が生まれるのか?」

その答えを見つけるため、さまざまな条件で走行データを比較することにしました。

比較検証の内容:屋外 vs トレッドミル/速いペース vs 遅いペース/異なるシューズでの比較

分かったこと速いペースになると左右差が顕著に拡大すること、そしてシューズによって左右差の出方が大きく異なることが判明しました。

導入した改善アプローチは以下になります。

腕振りを左右均等にする:失速やフォームの崩れを立て直す際の特効薬でもあります。前後、上下が均等にバランス良くふれているかに集中してみました。
左の蹴り出しを抑える:利き足の強みが露骨に出た走り方の矯正です。地面に着いた瞬間、無意識で蹴り込んでいるため、この動作を何とか抑えたいところです。
着地を静かにする:失速したり、疲労が出るとシューズが地面を叩く音が生じてきます。普段はあまり音を立てないほうですが、フォームを意識すると左足だけペタペタと地面を叩く音が出てしまいます。

この期間は、とにかくいろいろ試してみる段階。試行錯誤の連続でした。

9月11日〜14日:変化を感じ始めた日々

1週間経過すると、数値に変化が現れ始めました。

「本当に改善するのかな?」という不安もありましたが、データが少しずつ良くなっていくのを見るとうれしいです。

この期間の変化:ピッチ差は依然として存在するものの、接地時間、ストライドの左右差が明らかに縮小しました。特に9月13日の記録では、ストライドの差が1cm、接地時間の差が3msにまで縮小。

走りを振り返ってみると、左右アンバランスな違和感が少しずつ解消に向かっている実感がありました。

9月15日:シューズを変えて効果を試した日

「改善効果は本物なのか?」を確かめるため、推進力が強く左右差軽減効果も期待できるASICS EvoRide Speed 3でテンボ走を試してみました。

ASICS エボライドスピード3

9/15の結果:
ストライド:左1.24m/右1.19m(差5cm・大幅改善
接地時間:左245ms/右237ms(差8ms・改善
着地衝撃:左25.5/右32.3(右が強いが、前より安定

推進力の強いシューズを履いても、左右バランスが走り全体で整い始めている感覚がありました。

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これだけは注意!失敗から学んだこと

改善への取り組みは順調ばかりではありませんでした。「データが悪いなら、強制的に修正すればいいだろう」という単純な発想で大失敗した経験があります。

8月下旬のある日、左右差を修正しようと「右足のピッチを意識的に落とそう」と試みました。結果、全体のリズムが崩れ、普段より3分/km近くペースが落ちてしまったのです。

  • 平均ペース5:45/km(普段は5:15/km)
  • ピッチ差はかえって18spmに拡大。

この経験から学んだのは、「局所的な修正よりも、全体のバランスを整える方が効果的」ということでした。

体幹の安定性を高めるドリルや、腕振りのリズムから整える方が、明確に効果を感じられました。

 

シューズ別・左右差データの比較と走行感

ランニングシューズを変えるだけで、左右差の出方がまったく異なることを発見したのは、大きな驚きでした。
「シューズなんてどれも同じでしょ」と思っていた私にとって、これはまさに新しい気づきでした。以下、4足の検証結果です。

 

Adizero Boston 12:左右差が最も小さい安定感

Adizero Boston 12

アディダスのボストン12は、軽量でフラットな着地を促すシューズ。私が試した中で、最も左右差が小さく安定したデータが出ました。

  • ピッチの左右差は2〜3spm以内に収まる

  • 接地時間もほぼ揃い、リズムが崩れにくい

  • 長い距離でも数値が安定して維持されやすい

やや硬めの接地感ですが、それが「左右どちらにも偏らない」安定性につながっている印象です。フォーム矯正的に使うなら、この1足がベースになると感じました。

 

PUMA Velocity Nitro 3:快適さと引き換えに左右差が大きくなる

ヴェロシティニトロ3は、クッション性が高く履いていてとにかく楽。ところがデータを見ると、左右差が顕著に現れるという特徴がありました。

PUMA ヴェロシティニトロ3

  • 左右で接地時間差が10ms以上出やすい

  • ストライドも0.05m以上の差が残ることが多い

  • クッションが柔らかい分、弱い足側に沈み込みやすい

楽に走れるけれど、フォームのクセが強調されてしまう」――そんな印象。リカバリーやジョグ用途には良いですが、フォーム改善の観点では注意が必要です。

 

ASICS EvoRide Speed 3:推進力と左右差改善を両立

ASICS エボライドスピード3

アシックスのエボライドスピード3は、ロッカー形状によるスムーズな体重移動が特長。

実際に走ると、推進力が得られるうえに左右差も改善傾向が見られました。

  • ピッチ差が自然に縮まり、リズムが整う

  • 接地時間の差もBoston並みに小さく抑えられる

  • 上り坂やトレッドミルでも「前に運んでもらえる感覚」が強い

「走りやすさ」と「左右差改善」の両方を満たしてくれる、非常に優秀なシューズだと感じました。

スピード練習からロングまで幅広く使える万能型です。

 

PUMA Deviate Nitro 3:強力な推進力と引き換えに左右差が強調される

PUMA Deviate Nitro

カーボンプレート搭載のデヴィエイトニトロ3は、反発と推進力が圧倒的。特に路面では速さを実感できますが、トレッドミルでは左右差がやや強調される結果になりました。

  • ピッチ差が5〜6spmと大きめに出ることがある

  • 接地のタイミングが揃いにくく、左右のズレを感じやすい

  • 推進力は抜群だが、弱い側の足に負荷がかかる

「速さを出す」目的では最高ですが、フォームの左右差改善という視点では逆効果になりかねません。使いどころを選ぶ必要があります。

 

目的別シューズの使い分け方

4足を比べてみて感じたのは、シューズごとに左右差の出方がまるで違うということ。

  • Adizero Boston 12左右差を最小化したいときの基準シューズ

  • PUMA Velocity Nitro 3 → 快適ジョグ用。ただしクセは強調される

  • ASICS EvoRide Speed 3推進力+左右差改善のバランス型

  • PUMA Deviate Nitro 3 → レース・スピード練習用。左右差は強めに出る

この4足を状況に応じて使い分けることで、自分のクセが「どんなときに強調され、どんなときに抑えられるのか」がよく分かるようになりました。

 

まとめ:走るのがもっと楽しくなる秘訣

今回のフォーム改善で学んだことは、「数値化の力」と「継続の重要性」でした。

感覚だけでは分からなかった自分の走りのクセが、データによって明確になり、改善への道筋が見えてきたのは大きな収穫です。

フォームの左右差は、普段走っているだけでは気づきにくいもの。でもGarminやモーションセンサーを使えば、数字として客観的に見えてきます。

私自身、まだ改善の途中ですが、「数値を見ながら成長を感じられる」ことが、新しい楽しみになっています。同じような課題を感じている方がいらっしゃれば、まずは現状の把握から始めてみてください。きっと新しい発見があるはずです。

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