「雨の日や暑い日の代用」と思われがちなトレッドミル(ランニングマシン)。
実はフォーム改善や負荷管理において、外ランニング以上に効率的なトレーニングが可能です。
本記事では、トレッドミルとは何かという基本から、最も効果を引き出す「傾斜」の設定、そしてGarmin等のデバイスを駆使した最新の活用術までを徹底解説します。
✓ トレッドミルとランニングマシンの違い
✓ 初めての方でも安全な使い方と速度設定
✓ 傾斜1%が推奨される科学的理由
✓ Garminの距離がズレる問題の解決法
✓ フォーム改善に最適なシューズ選び
トレッドミルとは?屋外ランニングとの違いとメリット
トレッドミル(英語:treadmill)とは、屋内でランニングやウォーキングを行うための走行マシンのことです。

「ランニングマシン」「ルームランナー」とも呼ばれますが、基本的に同じ機器を指します。
ジムにある電動式が一般的で、速度や傾斜をボタンひとつで調整できるため、ねらった負荷のトレーニングを正確に行えます。
トレッドミルを活用する3つのメリット

環境に左右されない
天候、信号、夜道の危険を気にせず、一定のペースで走り続けられる。
花粉症の時期や猛暑日でも快適にトレーニング可能です。
外で走る場合、雨が降れば中断せざるを得ず、真夏の炎天下や真冬の極寒では体調を崩すリスクもあります。
また、信号待ちでペースが途切れたり、夜間の安全面で不安を感じることも。
- 雨の日も継続できる:悪天候でもトレーニング計画を守れる
- 暑さ・寒さを避けられる:空調の効いた室内で快適
- 夜間も安心:防犯面の心配がなく、女性や高齢者も安全
- 花粉症対策:春先の花粉シーズンでも症状を気にせず走れる
大会に向けてトレーニング計画を立てている場合、天候に左右されずに「週3回、必ず走る」といった習慣を維持できるのは大きなメリットです。
体への負担軽減
多くのマシンには衝撃吸収クッションが備わっており、アスファルトに比べてひざや腰への衝撃を抑えられます。
一般的なアスファルト道路は硬く、着地の衝撃がダイレクトに関節へ伝わります。
特に体重が重い方や、ランニングを始めたばかりの方は、ひざや腰への負担が大きくなりがちです。
トレッドミルのベルトには衝撃吸収システムが内蔵されており:
- 関節への衝撃を軽減
- フラットな走行面:段差や凸凹がなく、足首の捻挫リスクが低い
- 安定した着地:転倒の危険が少ない
また、ケガからの復帰時も、ひざへの負担が少ないトレッドミルは理想的なトレーニング環境です。
正確な負荷コントロール
速度と「傾斜」を0.5〜1%単位で管理でき、狙った強度のトレーニングを確実に行える。
インターバル走やペース走の練習に最適です。
外を走る場合、ペースを一定に保つのは意外と難しいものです。
信号で止まったり、疲れてくると無意識にペースが落ちたり、逆に調子が良いと速くなりすぎたりします。

トレッドミルなら、
- 速度が自動的に固定される:キロ5分ペースなら12km/hに設定するだけ
- インターバル走が正確にできる:例「3分全力(15km/h)→2分休憩(8km/h)×5セット」を確実に実行
- 心拍数管理がしやすい:一定ペースで走ることで、目標心拍数ゾーンを維持しやすい
- 傾斜トレーニングも自由自在:坂道がない地域でも、傾斜5%のヒルトレーニングが可能
特にマラソンでサブ4(4時間切り)やサブ3.5を目指す中級者以上のランナーにとって、「キロ5分30秒を確実に維持する練習」のような精密なペーストレーニングができるのは、トレッドミルの大きな強みです。
また、Garminなどのスマートウォッチと連携すれば、ペース、心拍数、距離、消費カロリーなどのデータを正確に記録でき、トレーニングの進捗管理がより科学的に行えます。
トレッドミルのデメリットと対策
もちろん、トレッドミルにもデメリットはあります。事前に知っておくことで対策が可能です。
単調なため飽きやすい

景色が変わらず、同じ場所で走り続けるため、特に長距離走では精神的にキツく感じることがあります。
外を走る場合は、季節の変化や街の風景、すれ違う人々など、視覚的な刺激が自然とモチベーションを保ってくれます。
しかし、トレッドミルでは目の前に同じ景色(多くの場合は壁やテレビ画面)が続くため、30分を超えると「まだ終わらないのか…」という気持ちになりがち。
対策:音楽や動画を見ながら走る、インターバル走で変化をつける
- お気に入りの音楽やポッドキャスト:テンポの良い音楽でリズムを作る
- 動画配信サービス:Netflix、YouTubeなどを見ながら走る(ジムによっては各マシンにモニター付き)
実走との感覚のズレ
風の抵抗がないため、外を走る感覚と異なります。
外で走る際、私たちは無意識に風の抵抗を受けています。
この抵抗が、実は運動強度を約5-10%高めています。そのため、トレッドミルで同じ速度で走ると「なんだか楽だな」と感じることがあります。
また、トレッドミルではベルトが自動的に後ろに流れるため、「地面を蹴って前に進む」という感覚が薄れます。
この違いにより、
対策:週末は外で走るなど、併用することで両方の良さを活かせます
距離の精度問題(GPSウォッチ使用時)
Garminなどのウォッチは、室内ではGPSが使えないため距離がズレることがあります。
GPSウォッチは本来、衛星からの信号を使って位置情報と距離を計測します。
しかし、屋内ではGPS信号が届かないため、内蔵の加速度センサーで腕の振りや歩数から距離を「推定」します。
この推定には個人差があり:
ピッチ走法 vs ストライド走法:走り方によっても誤差が出る
腕振りが大きい人:実際より長い距離として記録される
腕振りが小さい人:実際より短い距離として記録される
計測データ誤差の例(左:Garmin/右:ランメトリックス)

上記は所要時間47分、トレッドミルの速度12.0km/h(ペース5:00/km)で設定し、47分走行した際のGarminとランメトリックスの計測データです。
ランメトリックスはトレッドミルで計測する際、設定した速度をアプリ側でも設定できる仕様になっており、より精度の高いデータが計測できます。
両者を比較すると、走行ペースに30秒弱、走行距離に1km弱の差が見受けられます。
1kmペースが30秒近く違ってくると、トレーニング内容を正確に評価することはもはや不可能といえます。
この誤差をそのままにしておくと:
- トレーニングログが不正確になる
- 月間走行距離が合わない
- ペース管理ができない(実際より速く/遅く表示される)
対策:Garminの校正機能を使う(後述で詳しく解説)
校正のメリット:
- 距離の精度が大幅に向上(誤差1%以内に)
- 正確なトレーニングデータが残せる
- ペース表示も正確になる
校正は一度行えば、同じシューズ・同じフォームで走る限り有効です。
ただし、シューズを変えた時やフォームが変わった時(傾斜設定を変更した時も含む)は、再度校正することをおすすめします。
🔧 詳しい校正手順はこちらの記事で画像付きで解説しています
【2026最新】ガーミンのトレッドミル校正・距離がズレる時の直し方!
【初めての方向け】トレッドミルの安全な使い方
トレッドミルは正しく使えば安全ですが、初めての方は乗り降りや速度設定で戸惑うことも。基本を押さえておきましょう。
ジムでトレッドミルを初めて使う時、「どうやって乗ればいいの?」「いきなり速いスピードで動き出したらどうしよう」と不安になる方は少なくありません。
しかし、正しい手順を知っていれば、トレッドミルは非常に安全なトレーニング機器です。
ここでは、初めての方が安心して使うための手順をお伝えします。
乗り降りの基本手順
乗る時
- ベルトが完全に止まっていることを確認
- 前の人が使った直後の場合は、ベルトが止まっているかを目視で確認
- 電源は入っている状態で問題ありません(ほとんどの機種は常時電源ON)
- 両足をサイドステップ(ベルトの両脇)に乗せる、またはベルトに直接乗る
- サイドステップは、ベルトの左右にある固定された台のこと
- サイドステップに立ってから操作しても、ベルトに直接乗ってから操作してもどちらでもOK
- 速度を1-2km/hに設定してスタート
- 最初は必ず「ゆっくり歩くペース」からスタート
- コンソール(操作パネル)で速度を設定し、スタートボタンを押す
- 機種によっては「クイックスタート」ボタンがあり、これを押すと自動的に低速で始まる
- ゆっくり歩き始めてから、徐々に速度を上げる
- サイドステップに立っていた場合は、片足ずつベルトに乗せる
- 最初の30秒〜1分は歩いてペースに慣れる
- 慣れてきたら、速度ボタンもしくはレバーを操作して徐々にスピードアップ
- 目標速度まで一気に上げず、1-2km/hずつ上げるのが安心
⚠️ 最初から速い速度(10km/h以上)で設定しない → 急にベルトが速く動いてバランスを崩しやすい
⚠️ 速度を上げる時は、1〜2km/hずつ徐々に上げる → 急激な変化に体が対応できない
⚠️ スタート直後は、ベルトの動きに慣れるまで手すりを軽く持つと安心
降りる時
速度を徐々に下げる(急停止はNG)
- 速度ボタン(▼)を押して、少しずつ減速する
- 走っている状態から急に停止すると、慣性で体が前に倒れる危険がある
- 目安:走行中は5分かけて徐々にクールダウン、最後の1-2分はウォーキングペース
完全停止を確認
- ベルトが完全に止まってから降りる準備をする
- ディスプレイに「停止中」や速度「0.0」が表示されていることを確認
サイドステップを使って降りる、または直接降りる
- ベルトから足を離し、サイドステップに両足を乗せてから降りてもOK
- ベルトが止まっていれば、そのまま降りても問題ありません
- 緊急停止クリップを外すのを忘れずに
特に、長時間トレッドミルで走った直後は、地面が止まっている感覚に慣れるまで数秒かかります。
降りた直後にふらつくことがあるため、降りてすぐに歩き出さず、手すりにつかまって数秒待つことをおすすめします(これは「トレッドミル酔い」と呼ばれる現象で、多くの人が経験します)。
速度設定の目安
初めての方は、以下の速度を参考にしてください。
| レベル | 速度 | 用途 |
|---|---|---|
| ウォーキング | 4-6 km/h | ウォーミングアップ、クールダウン |
| ジョギング | 7-9 km/h | 有酸素運動、脂肪燃焼 |
| ランニング | 10-12 km/h | 持久力向上 |
| ペース走 | 13-15 km/h | スピード強化 |
速度の感覚をつかむコツ:
- 6 km/h:1kmを10分で進むペース(キロ10分)
- 8 km/h:1kmを7分30秒で進むペース(キロ7分30秒)
- 10 km/h:1kmを6分で進むペース(キロ6分)
- 12 km/h:1kmを5分で進むペース(キロ5分)= マラソンサブ3.5ペース
初心者はまず8km/hで20分走れることを目標にすると良いでしょう。
初めての方におすすめの練習メニュー例
【第1週目】 合計25分
ウォーミングアップ:5分(5 km/h)
↓
メイン走:15分(7-8 km/h)
↓
クールダウン:5分(5 km/h)
【第4週目】 合計30分(慣れてきたら)
ウォーミングアップ:5分(5 km/h)
↓
メイン走:20分(8-9 km/h)
↓
クールダウン:5分(5 km/h)
【第8週目】 合計40分(さらに慣れたら)
ウォーミングアップ:5分(6 km/h)
↓
メイン走:30分(9-10 km/h)
↓
クールダウン:5分(5 km/h)
最初は無理せず、短い時間から始めましょう。慣れてきたら徐々に時間や速度を増やしていきます。
- 週3回以上は走らない(回復期間が必要)
- 痛みを感じたら無理せず休む
- 水分補給を忘れずに(500mlのペットボトルを持参)
- 初めての場合は、ジムスタッフに使い方を教えてもらうと安心
緊急停止クリップの使い方
ほとんどのトレッドミルには、緊急停止クリップが付いています。

これは赤い磁石式のクリップで、コンソール(操作パネル)に接続されています。
このクリップを服に装着しておけば、万が一転倒してもクリップが外れて自動停止するため、大きな事故を防げます。
緊急停止クリップが必要な理由:
- 転倒時の二次被害を防ぐ:倒れた後もベルトが動き続けると、巻き込まれて大ケガにつながる
- バランスを崩した時の保険:ちょっとよろけただけでも、クリップが外れて停止するため安全
ハンドルの正しい使い方

ハンドルは軽く触れる程度にして、握りしめないようにするとフォームが崩れません。
- ⭕ 正しい使い方:バランスを取る時に軽く触れる、スタート時につかまる
- ❌ 間違った使い方:常にハンドルを握りしめて走る
ハンドルを握りしめたまま走ると:
- 前傾姿勢になりすぎて腰に負担がかかる
- 腕が振れないため、推進力が落ちる
- 本来の走力がつかない(依存してしまう)
最初は不安でハンドルを持ちたくなりますが、慣れてきたら手を離して、自然な腕振りで走るように心がけましょう。
トレッドミルの「傾斜」がトレーニングの質を左右する
トレッドミルで走る際、最も重要なのが「傾斜(インクライン)」の設定です。
傾斜を0%(フラット)のまま走っている方多いと思われますが、実はこれでは外を走るのと同じトレーニング効果が得られません。
傾斜設定を理解するだけで、トレッドミルの効果は劇的に変わります。
なぜ「傾斜1%」が推奨されるのか?
無風の室内では、外で走る際に受ける「空気抵抗」がありません。そのため、傾斜0%だと外ランよりも負荷が軽くなってしまいます。
空気抵抗の影響を数値で見る
屋外で走る場合、私たちは常に空気抵抗を受けています。この抵抗は速度が上がるほど大きくなり、特に以下のような影響があります:
つまり、トレッドミルで傾斜0%で走ると、実際の屋外ランニングより「楽に感じる」のは錯覚ではなく、物理的に負荷が軽いのです。
一般的に「傾斜1%」に設定することで、屋外の平坦路を走る負荷とほぼ同等になると言われています。
これは複数の研究でも裏付けられており、実走と同じトレーニング効果を得るための基本設定です。
傾斜別の負荷目安
傾斜0%:実走より約5-10%負荷が軽い(リカバリー走向け)
- 用途:ケガ明けの復帰ラン、超軽いジョグ、フォーム確認
- 体感:「楽だな」と感じるはず
傾斜1%:実走とほぼ同等(通常のジョギング・ペース走向け)⭐推奨
- 用途:日常的なトレーニング全般
- 体感:外で走るのと同じ感覚
- 心拍数:実走と同じ程度まで上がる
傾斜2%以上:実走より負荷が高い(筋力強化・坂道練習向け)
- 用途:ヒルトレーニング、大臀筋・ハムストリングスの強化
- 体感:キツめ、息が上がる
- 効果:登り坂を走る練習、筋持久力アップ
傾斜によるフォームの変化(実測データより)
傾斜をつけることで、自然と前傾姿勢になり、お尻(臀部)やハムストリングスを使いやすくなります。
筆者が実際に傾斜0%・1%・2%で走行し、モーションセンサーで計測したところ、傾斜によって着地位置、接地時間、推進力が明確に変化することが分かりました。
特に傾斜2%以上では、大臀筋の使用率が高まり、ヒルトレーニングと同様の筋力強化効果が期待できます。
📊 詳しい実測データはこちら
トレッドミルの傾斜はフォームを変える。0%・1%・2%でどう違う?実走データで検証!
- いきなり高傾斜は避ける(ふくらはぎに負担大)
- 5-10分ごとに傾斜を変えて変化をつける
Garmin、ランメトリックスと連携してデータを可視化する
正確なデータ管理が、トレッドミルのモチベーション維持には不可欠です。
「せっかく走ったのに記録が残らない」「距離が合わなくて気持ち悪い」そんな悩みを解決するのが、Garminやカシオモーションセンサー + ランメトリックスなどのデバイス連携です。
トレッドミルでのトレーニングも、しっかりログを残すことで成長を実感できます。
Garminの距離がズレる時の「校正」手順
GPSウォッチは屋内では衛星を捕捉できないため、内蔵の加速度センサーで距離を推定します。
この推定は、腕の振り方や歩幅、ピッチなどから計算されるため、個人差や走り方のクセによってズレが生じます。そのため
- トレッドミル表示:5.0 km
- Garmin表示:4.7 km または 5.3 km
というズレが発生することがあります。
解決策:校正(キャリブレーション)機能
Garminには「トレッドミル校正」機能があり、これを使えば距離の精度を大幅に改善できます。
校正を行うことで、Garminがあなたの走り方の特徴を学習し、次回以降の距離精度が向上します。筆者の経験では、校正前は5%程度ズレていたのが、校正後は1-2%以内に収まるようになりました。
校正の基本手順
正しい距離を入力
トレッドミルに表示されていた距離(例:2.00 km)を入力して完了。
トレッドミルで1km以上走る
できれば2km以上走ると、より正確な校正ができます。速度は普段のジョギングペース(8-10km/h程度)で問題ありません。
トレッドミルの距離を確認
走り終わったら、必ずトレッドミル本体に表示されている距離を正確にメモしておきます。例:「2.00 km」
Garminで校正を実行
ウォッチの「保存」ボタンを押した後、校正画面が自動的に表示されます(機種によっては手動で「校正」を選択)。
🔧 画像付きの詳しい校正手順はこちら
【2026最新】ガーミンのトレッドミル校正・距離がズレる時の直し方!公式より分かりやすく画像で解説
モーションセンサーで「動き」を分析
Garminの距離記録だけでなく、走りの質まで分析したい方には、カシオモーションセンサー + ランメトリックス(Runmetrix)がおすすめです。
なぜトレッドミルがフォーム分析に最適なのか?
トレッドミルは速度が一定に保たれるため、外ランのように「信号待ち」「坂道」「路面変化」といった外部要因の影響を受けません。
そのため、純粋にフォームやシューズの違いだけを比較できる理想的な環境なのです。
筆者もトレッドミルとRunmetrixを組み合わせて、シューズごとのフォーム変化を計測し、自分に最適なシューズ選びに役立てています。
特に以下のような分析が可能です
着地時の衝撃値(縦方向・横方向)
- 縦方向の衝撃:着地時にひざや腰にかかる負担を数値化
- 横方向の衝撃:左右のブレを検出(フォームの歪みが分かる)
- シューズによる衝撃吸収性の違いも明確に
例:筆者の場合、厚底シューズは縦方向の衝撃が20%減少、薄底シューズは横方向の衝撃が10%増加することが判明しました。
接地時間とピッチの関係
- 接地時間:足が地面(ベルト)に接している時間
- 理想は180-200ms程度
- 接地時間が長いと推進力が弱い、短すぎると上下動が大きい
トレッドミルで一定ペースを保ちながら計測すると、シューズごとの接地時間の違いが明確に分かります。
左右の脚の使い方の差
- 左右の接地時間のバランス
- 左右の推進力の差
- 左右の衝撃値の違い
外ランでは気づきにくい「左右差」も、トレッドミルなら正確に検出できます。筆者は右脚の接地時間が左脚より15ms長いことが判明し、フォーム改善に取り組みました。
実際の活用例:筆者のフォーム改善プロセス
筆者は以下の流れでトレッドミル×Runmetrixを活用しました:
- ベースライン測定(傾斜1%、時速10km)
普段履いているシューズで基準データを取得 - 薄底シューズでのテスト(プーマ プロピオニトロ)
接地感覚が向上し、接地時間が10ms短縮 - 厚底シューズでのテスト(アディダス ボストン13)
衝撃が15%減少、長時間走でも疲労が少ない - 用途別にシューズを使い分け
- フォーム練習:薄底
- 長距離トレーニング:厚底
📊 詳しいフォーム分析レポートはこちら
実際の測定データとグラフ付きで解説しています。
プーマ プロピオニトロ×Runmetrix フォーム分析
アディダス ボストン13 レビュー
トレッドミルでのデータ分析は、単なる記録ではなく「自分の走りを知る」ための強力なツールです。Garminやランメトリックスを活用すると、効率的にランニングスキル向上が望めます。
トレッドミルでのシューズ選び。厚底か薄底か?
トレッドミルはベルトが動く特殊な環境のため、シューズ選びも重要です。
「外で走るのと同じシューズでいいの?」と疑問に思う方も多いでしょう。実は、トレッドミルならではのシューズ選びのポイントがあります。
トレッドミルは路面が一定で衝撃も少ないため、外ランとは異なる視点でシューズを選ぶことで、トレーニング効果を最大化できます。

トレッドミル特有のシューズ環境
まず、トレッドミルと外ランでのシューズへの影響の違いを理解しておきましょう。
トレッドミルの特徴
- ベルトにクッション性がある(アスファルトより柔らかい)
- 路面が常に平坦で均一
- 小石や段差などの不規則な衝撃がない
- 推進力が不要(ベルトが動いてくれる)
これらの特徴から、トレッドミルでは外ランよりもソールが薄いシューズでも走りやすいという利点があります。
逆に、厚底シューズの反発性能を活かしにくいという側面もあります。
フォーム改造なら「薄底」
なぜ薄底がフォーム改善に適しているのか?
接地の感覚を養うには、薄底のレーシングシューズが適しています。
地面(ベルト)の感覚がダイレクトに伝わるため、着地位置やフォームの微調整がしやすくなります。
薄底シューズのメリット(トレッドミル使用時)

接地感覚の向上
ソールが薄いと、足裏全体でベルトの感覚を感じ取れます。これにより、
- 着地位置が体の真下か、前方かを正確に把握できる
- 接地の瞬間の力の入れ方を微調整できる
- 無駄な力みやクセに気づきやすい
筆者の経験では、厚底から薄底に変えた瞬間、**今まで気づかなかった「つま先着地のクセ」**が明確に感じられるようになりました。
フォームの崩れを即座に検知
薄底は「誤魔化しが効かない」シューズです。フォームが崩れると、
- 着地の衝撃が直接足に伝わる
- バランスの悪さがすぐに分かる
- 修正を強制される
トレッドミルの鏡の前で薄底を履くと、自分のフォームの課題が一目瞭然になります。
足裏の筋力強化
薄底シューズは足裏のアーチや足指の筋肉を自然に使うため、ランニングの基礎となる足の筋力が鍛えられます。
トレッドミルのクッション性と相まって、怪我のリスクを抑えながら足裏を強化できるのが大きなメリットです。
薄底シューズの注意点
- 初心者は避ける:いきなり薄底で長時間走ると、ふくらはぎやアキレス腱を痛めるリスクがあります
- 慣らし期間が必要:最初は15-20分程度から始め、徐々に時間を延ばす
- 長距離には不向き:60分以上の走行では足裏の疲労が大きい
筆者の薄底活用法
筆者はプーマ プロピオニトロを以下の用途で使っています:
① フォーム確認の30分ジョグ
週1-2回、鏡の前で走りながら着地位置や上下動をチェック。薄底は足裏の感覚が鋭敏なため、フォームのクセに気づきやすい。
② ピッチ走(180回/分以上)の練習
メトロノームに合わせて高ピッチで走る練習。薄底は接地時間が短いため、ピッチを上げやすい。
③ インターバル走(短距離×複数本)
400m×5本などの高強度トレーニング。疲労時もフォームの崩れに気づきやすく、質の高い練習ができる。
💡 もっと詳しく知りたい方へ
実際のフォーム改善データ、Runmetrixでの測定結果、失敗談などは以下の記事で詳しく解説しています。
📝 プロピオニトロの詳しいレビューはこちら
プーマ プロピオニトロ 薄底レビュー
プロピオニトロ×Runmetrix フォーム分析
足の保護と反発なら「厚底」
厚底シューズがトレッドミルで活きる場面
ボストン13のようなデイリートレーナーは、長距離走でも足の疲れを軽減してくれます。クッション性と反発性のバランスが良く、トレッドミルでの長時間トレーニングに最適です。
厚底シューズのメリット(トレッドミル使用時)

長時間走でも疲労が少ない
40分以上のトレッドミル走では、薄底だと足裏が疲れてきます。厚底シューズなら:
- ソールのクッションが衝撃を吸収
- 反発性能が推進をサポート
- 60-90分の長時間走でも快適
筆者は週末の長距離走(60分以上)では、必ず厚底シューズを選びます。
初心者でも安心して使える
フォームがまだ固まっていない初心者は、厚底シューズの方が安全です:
- 着地ミスをソールが吸収してくれる
- 足裏への負担が少ない
- 怪我のリスクが低い
トレッドミルを初めて使う方は、まず厚底シューズで慣れることをおすすめします。
ペース走やテンポ走に最適
厚底シューズの反発性能は、一定ペースを維持するペース走やテンポ走で活きます:
- 自然と前に進む感覚
- エネルギー効率が良い
- 同じ心拍数でも速く走れる
トレッドミルで時速12-14kmのペース走をする際、厚底シューズだと体感的に1km/h遅く感じるほど楽になります。
厚底シューズの注意点
- フォーム改善には向かない:ソールが厚いと接地感覚が鈍り、細かいフォーム調整が難しい
- 過度な依存は禁物:厚底ばかりだと足裏の筋力が衰える可能性
- レース用は別:トレーニング用とレース用で使い分けが理想
筆者の厚底活用法
筆者はアディダス ボストン13を以下の用途で使っています:
- 60分以上のLSD(ロング・スロー・ディスタンス)
- 時速12-14kmのペース走
- 疲労が溜まっている時のリカバリージョグ
📝 ボストン13の詳しいレビューはこちら
アディダス アディゼロボストン13 レビュー
トレッドミルに関するよくある質問
A. トレッドミルとは、室内で走れるランニングマシンのことで、基本的に同じ機器を指します。
「トレッドミル」は英語表記(treadmill)、「ランニングマシン」「ルームランナー」は日本語での呼び方ですが、ジムでは「トレッドミル」と呼ばれることが多いです。
一般的には:
- トレッドミル → ジム用の高性能機
- ルームランナー → 家庭用のコンパクト機
というニュアンスの違いがありますが、機能的には同じものです。
A. はい、傾斜1%にすれば外走りとほぼ同等、傾斜2%以上でさらに増えます。
研究によると:
- 傾斜0%:実走より約5-10%少ない
- 傾斜1%:実走とほぼ同じ
- 傾斜2%:実走より約5-10%多い
ダイエット目的でトレッドミルを使う場合は、必ず傾斜1%以上に設定することをおすすめします。傾斜をつけることで、大臀筋やハムストリングスも使われ、より効率的にカロリーを消費できます。
A. 適切に使えば外を走るよりひざに優しいです。
トレッドミルのベルトにはクッション性があり、アスファルトより衝撃を吸収します。また、平坦で足元が安定しているため、転倒のリスクも低くなります。
ただし、以下の点には注意が必要です:
- 傾斜のつけすぎ(ふくらはぎやひざに負担)
- 長時間連続使用(同じ動作の繰り返しで関節に負担)
- 着地が強すぎる走り方
適度な傾斜(1-2%)で、適切な時間(30-60分程度)走る分には、むしろひざへの負担は軽減されます。
A. 週2-3回、外走りと組み合わせるのがおすすめです。
すべてをトレッドミルにすると、実走の感覚(風の抵抗、路面の変化、ペース感覚)が鈍る可能性があります。
おすすめの組み合わせ例
- 月・水・金:トレッドミル(ジム)でペース走やインターバル
- 土または日:外で長距離走(実戦感覚を養う)
- 火・木:休養またはクロストレーニング
この組み合わせなら、トレッドミルの正確な負荷管理と、実走の実戦感覚の両方を得られます。
まとめ:トレッドミルを最強の練習パートナーに
トレッドミルは単なる代用品ではなく、「正確な負荷設定」と「データ分析」を組み合わせれば、外ラン以上の成果を生み出すツールになります。
この記事のポイント
✅ 傾斜は1%を基準に設定する(実走と同等の負荷)
✅ Garminの校正で正確な記録を残す(距離のズレを解消)
✅ フォーム改善の目的を持って取り組む(モーションセンサー活用)
✅ 安全な使い方を守る(緊急停止クリップ装着、適切な速度設定)
✅ 外走りと併用する(実走感覚を維持)
これらを意識して、効率的なランニングライフを送りましょう。
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プーマ プロピオニトロ フォーム分析レポート
アディダス アディゼロボストン13 レビュー


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