はじめに:ジンバル選び、間違えたかもしれない
「キャンプや旅行、せっかくならちゃんとした動画を残したい…でもスマホだけじゃ物足りない」
そう思ってジンバルを導入したけど、実際に使ってみたら思ったほど活躍の出番がなかった——。
出典:Amazon
私が選んだのはAochuan Smart X Proでした。当時、iPhone 13 miniに対応しているジンバルがほとんどなく、選択肢が限られていた中での選択でした。
価格はリーズナブルで、スペック的には申し分ない──はずだったのですが、いざ使ってみると「思ったよりも面倒」という感想が先に立ちました。
この記事では、Aochuan Smart X Proの実際の使用感と、それを踏まえた次のジンバル候補(Insta360など)について、実体験ベースでまとめます。
Aochuan Smart X Proを使って見えたジンバルの課題

Aochuan Smart X Proは、当時iPhone 13 miniに対応する数少ないジンバルとして選びました。価格が比較的リーズナブルで、ジンバルとしての基本的な性能には問題ありませんでした。
ただ、実際に使ってみると、「使いたいときにすぐ使えない」という点がストレスでした。一見コンパクトで、折りたためばポケットにも入るのですが、「しまったジンバルをまた出して、バランスを取って、アプリを立ち上げて設定して…」というプロセスが煩雑。
とくに動画と写真をアプリ内でしか切り替えられないのは、手間が多く感じました。こうした「物理的・操作的ハードル」が、使う頻度を徐々に減らしてしまった要因です。
一番のストレスは「使いたいときにすぐ使えない」こと

Smart X Proは折りたたむと非常にコンパクトになります。ポケットにも収まるサイズ感で、見た目の携帯性は◎。しかし、実際の運用では「毎回バランス調整+アプリ設定」が必要で、これが使うたびにストレスでした。
- バランスをとってから電源オン
- 撮影モードの変更はスマホアプリでしかできない
- 写真と動画の切り替えもアプリ内のみ対応
一度しまったあと、再度使うにはこの一連の操作が毎回発生。結果、「だったらスマホだけでいいや」となってしまう頻度が増えたのです。
クリップ式の着脱がとにかく面倒

Smart X Proはスマホをクリップで挟み込むタイプですが、これもストレス要因でした。
- スライド側を引っ張って装着
- 外すときは指をかける場所がなく、力が必要
特に外すときが片手では難しいため、サッとしまいたい場面で煩わしさが増してしまいます。
マグネットマウントのジンバルが圧倒的に便利そう
出典:https://store.insta360.com
ジンバルやカメラグリップに共通して言えるのは、「クリップ式はとにかく面倒」だということです。スライド式で片側が固定されている構造は、着脱のたびに苦戦。特に外すときは指をかける場所が少なく、無理に力を入れてしまいそうになる場面もありました。
その点、Insta360やDJI Osmoのようなマグネットマウント方式は圧倒的にラク。装着も着脱も数秒で完了し、スムーズに撮影モードへ移行できます。これがあるかないかで、「ジンバルを持ち出すかどうか」の判断がガラッと変わるのは間違いありません。
- スマホ側にマグネットリングを装着すれば、ワンタッチで装着
- クリップを広げる必要がない
- 片手でも装着・取り外しが可能
メーカーの製品ページやYouTubeを見ても、「秒で展開できる」のが一目瞭然です。これがあるかどうかで、ジンバルの「持ち出し頻度」は確実に変わってきます。
日常ではUlanzi CapGripが地味に便利だった
グリップがあることで、物理ボタンのシャッターでもカメラアプリのシャッターでも撮影が可能
シャッターボタン部分はグリップから外せるため遠隔からのシャッターも可能
日常使いでは、現在使用中のUlanzi CapGrip(Bluetoothシャッター付き)が重宝しています。
とくにキャンプや旅先では片手がふさがっていることも多く、もう一方の手だけで撮影できる安心感は大きいです。
スマホの純正シャッターボタンは小さくて硬いため、どうしてもブレが発生しやすい。
CapGripはグリップ部分の握りやすさ、そしてシャッターボタンの配置が絶妙で、狙った瞬間に撮影しやすくなっています。
ただし、Bluetooth接続ゆえに反応しないことがあり、それが致命的に感じる場面も。また、連写ができない点も残念です。
とはいえ、「重いジンバルを持ち出すほどでもない日」にサクッと撮影したい用途ではベストな選択肢です。
次のジンバルはInsta360に傾き中
出典:https://www.insta360.com/
ジンバルの使いどころは、「スマホ単体では難しいアングルを撮る」ことにあると考えています。特に俯瞰や斜め上からの撮影など、人の目線では得られない映像が欲しいときにこそ、ジンバルは真価を発揮します。
使用シーンは主にキャンプや旅行、イベント。そして最近では、三脚に固定してランニング中の自分を追従させるような撮影もしたいと思っています。こうした用途から、軽量かつ携帯性に優れた機種が必須。価格も過剰に高価なものは避けたい、というバランス感覚を持っています。
その点で、現在はInsta360製のジンバルに最も関心があります。持ち運びのしやすさ、マグネット対応、アプリの完成度、どれをとっても自分の用途にマッチしそうです。できれば実機を触ってから決断したいと考えています。
スマホ用ジンバル詳細比較:Flow 2 / Flow 2 Pro / DJI OM 7 / Aochuan Smart X Pro
現時点での候補を比較してみました。
| 項目 | Insta360 Flow 2 | Insta360 Flow 2 Pro | DJI Osmo Mobile 7 | Aochuan Smart X Pro |
| 発売時期 / 価格 | 2025年6月発売、$109.99(標準)、$129.99(Trackerバンドル) | 2025年1月発売、$159.99(基本)、$179.99(Trackerバンドル) | 2025年2月頃、約$89(標準)/ $149(7P追跡モジュール付き) | 2021年発売、価格帯は12,000~16,000円前後(実売) |
| 重量 | 約348g、クランプ含め約373g | 約357g(クランプ付382g) | 約300g台後半(公式情報では170–300g対応) | 約310g(クランプ含む) |
| バッテリー 持続時間 |
約10時間(平置で)、手持ちは短くなる場合あり | 約10時間(同上) | 約10時間(ただし追跡モジュール使用時は約5時間) | 約6-10時間 |
| 追従技術 | Deep Track 4.0(1人またはグループ、Insta360アプリ内) | Deep Track 4.0 + Apple DockKit対応(ネイティブiOS/サードパーティアプリ追従) | ActiveTrack 7.0(DJI標準)、7Pは外部モジュールで他アプリ対応 | 基本的にAochuanアプリ内追従、精度や安定性に限界あり |
| 付属アクセサリ | 内蔵セルフィースティック・トライポッド。標準ではTrackerなし。 | セルフィースティック・トリポッド・バックミラー・追跡リングライト(Proのみ) | 折りたたみ式、DJIアプリ連携。7Pモデルは追跡モジュール付き | クランプ式グリップのみ、三脚は別途必要 |
| 特徴的な機能 | AI追跡、テレプロンプター、ジェスチャーコントロール(Insta360アプリ) | 360°無限パントラッキング、フリーティルト、Apple Watchリモート、ミラー付き | DJIの安定した追跡&操作、アプリ連携、軽量コンパクト | Bluetoothシャッター有、低価格、物理ボタン中心 |
| 対応OS / アプリ |
Insta360アプリ専用(Trackerバンドルで他アプリ対応可) | iOSネイティブ・200以上のサードパーティアプリ(DockKit対応)、Android可 | DJIアプリ(Android/iOS対応)、7Pモジュールで他アプリ対応可 | Aochuan Goアプリ、UI古め/アップデート少な目 |
| メリットの特徴 | コスパ良、軽量コンパクト、スマート機能が豊富 | iOSネイティブ追従、グループ追跡、創造性の高い機能多数、リモート操作対応 | 標準で安定追跡、軽量、追跡モジュールで柔軟なアプリ連携 | 安価で基本安定、シャッター付きグリップが便利 |
| 主なデメリット | 他アプリでの追跡には別売Trackerが必要、DockKit非対応 | 値段が高め($160以上)、Androidでは一部制限あり | 標準モデルは追従機能限定的、モジュール併用でバッテリー短くなる | アプリ追従弱め、重量あり、最新機能なし |
各モデルの長所・短所まとめ
Insta360 Flow 2
出典:https://www.insta360.com
メリット:価格が手頃で、軽量・折りたたみコンパクト、Deep Track 4.0で追跡可能(アプリ使用時)、セルフィースティックやトリポッド内蔵、ジェスチャー操作対応
👉 Flow 2は、旅行やキャンプなど「荷物を軽くしたい場面」で特に活躍します。コンパクトにたためて、必要な機能はしっかり揃っているため、ジンバル初心者にも扱いやすい1台です。
デメリット:標準では他のカメラアプリと連携できず、Proより追従範囲や自由度が制限される
👉 SNS配信用のアプリやネイティブカメラアプリでの撮影がメインの方には、やや不便な面もあります。アプリをまたいで使いたい場合は、Proモデルの方が適しています。
Insta360 Flow 2 Pro
出典:https://www.insta360.com
メリット:iPhoneネイティブアプリや200以上のiOSアプリで追従可能なDockKit対応、多人数追跡、Pro Framing Grid、360°トラッキング、ミラー付き、Apple Watch操作など高度機能が豊富
👉 特に「iPhoneユーザーでVlogやレビュー動画を頻繁に撮る方」にとって、最高峰の機能性を誇るのがこのProモデルです。使い慣れたアプリでそのまま撮影しながら自動追従できる点は大きなメリットです。
デメリット:価格が高く、Androidでは一部機能制限あり。Tracker使用時のバッテリー消費は不明
👉 「iPhone専用」と割り切れるなら最適な選択ですが、Androidユーザーや価格を重視する人にとっては、やや過剰なスペックかもしれません。
DJI Osmo Mobile 7P
出典:https://www.dji.com/jp
メリット:DJI純正の信頼性ある追従技術、軽量、操作性良好、7Pで他アプリ追従対応
👉 動画撮影を長年手がけてきたDJIの安心感が魅力。とくに「細かいブレを抑えた滑らかな映像」を求めるなら選択肢として外せません。スマホ撮影のワンランク上を狙うユーザーにおすすめです。
デメリット:標準モデルでは追従機能が限られ、モデルによってはバッテリー持続時間が半減するケースあり
👉 購入時はモデル名に注意が必要です。「7」と「7P」では対応アプリやバッテリー性能が異なるため、用途に合わせて慎重に選ぶ必要があります。
Aochuan Smart X Pro
出典:Amazon
メリット:価格が安く、Bluetoothシャッター付きグリップが便利、三脚やアプリなしでの基本撮影には十分
👉 「とにかく安く済ませたい」「スマホの基本撮影+手ブレ補正だけで十分」という方にとっては、手軽に導入できる機種です。旅行の記録や日常スナップにはこれでも十分活躍します。
デメリット:追従精度や安定性が弱く、アプリ機能も古め。バッテリー持続時間が短く、重いことで長時間撮影には不向き。
👉 ジンバルを使った本格的な動画制作や、人物トラッキングを使いたい場合には不満が出やすいモデルです。用途が限定されることを理解した上で使うのがベターです。
iPhone対応状況を含めたスマホジンバル比較表
| 項目 | Insta360 Flow 2 | Insta360 Flow 2 Pro | DJI Osmo Mobile 7P | Aochuan Smart X Pro |
| iPhone 13 mini対応 | ✅ 問題なく対応(小型端末も安定) | ✅ 問題なく対応(クランプ調整可能) | ⚠️ 使用可能だが、端末の軽さでバランス調整にやや注意必要 | ✅ 問題なく対応(小型端末も安定) |
| 大型iPhone対応 | ✅ iPhone Pro Maxクラスまで対応(クランプ開口広め) | ✅ Pro Max対応+DockKit連携でさらに便利 | ✅ Pro Max対応(DJI標準クランプで大半のスマホに対応) | ⚠️ iPhone Pro Maxは非推奨(重量バランスでモーター負荷大) |
| iPhoneネイティブ追従 | ❌ Insta360アプリ経由のみ、Apple純正カメラアプリでは不可 | ✅ DockKit対応でiOS標準カメラやサードパーティアプリでも追従可能 | 7Pは外部モジュールでAppleカメラ対応、通常はDJIアプリ経由 | ❌ 独自アプリのみ対応(iOS純正カメラアプリでは追従不可) |
| MagSafe対応(13 mini含む) | ⚠️ クランプ装着必要。マグネットは専用リング(別売)使用時のみ | ⚠️ 同左(専用アクセサリ利用でMagSafeっぽく着脱可) | ❌ 基本はクランプ固定式のみ。MagSafe連携なし | ❌ マグネット非対応。クランプ式固定のみ |
| クランプ互換性 | 45~80mm幅に対応、13 miniもOK | 同上(Proはより滑り止め強化あり) | 62~88mmまで対応、13 miniも使用可能 | 55-90mm幅に対応、13 miniもOK |
| 追従性能 × iPhone連携 | DeepTrack 4.0(アプリ内のみ) | DeepTrack 4.0 + DockKit + Apple Watchリモート可 | ActiveTrack 7.0(アプリ内)、7Pでカメラアプリ追従可 | 追従精度は限定的。iPhoneカメラでは不可 |
| iPhone用アクセサリとの相性 | △ 汎用ケース併用可能。マグネット装着には専用アタッチメント推奨 | △ 同上(Proはマグネット式ストラップなど拡張アクセ対応) | ◎ 汎用ケース+クランプ、他社製アクセサリとも互換性良し | △ グリップ込み設計なのでケースによっては干渉する |
iPhone 13 miniユーザー向けのおすすめポイント
| モデル | おすすめ度 | コメント |
| Insta360 Flow 2 | ★★★★☆ | 13 miniでも安定装着可。AI追従良好。コンパクト設計で持ち運びにも優れる |
| Insta360 Flow 2 Pro | ★★★★★ | 13 mini対応 + iOSカメラアプリでも追従可。Apple Watchリモート対応も強み |
| DJI Osmo Mobile 7 | ★★★☆☆ | 使用は可能だが、13 miniの軽さでバランス調整が難しい場面あり |
| Aochuan Smart X Pro | ★★☆☆☆ | 物理的な装着は可。ただし安定性にやや欠け、クランプの緩みやズレに注意が必要 |
現時点で最有力候補はInsta360 Flow 2
理由は以下のとおりです:
使用シーンの想定
- キャンプや旅行など屋外アクティビティ
- ランニング時の三脚固定+人物追尾
- イベントや屋内での撮影にも対応
避けたいポイント
- 重いもの(そもそも持ち出さなくなる)
- 高すぎる価格(スマホ単体で済む撮影が主なため)
やはり「スマホでは撮れないアングル」、たとえば斜め上からの俯瞰や滑らかなパン動画が撮れるところに、ジンバルの価値を感じています。価格・携帯性・操作性、このバランスが整っているのがInsta360だと感じます。
まとめ|ジンバルは「使う気にさせてくれるか」がすべて
ジンバルに求めることは、ハイスペックよりも「手間がないこと」と「必要なときにすぐ使えること」です。
Aochuan Smart X Proは「価格は安いけれど使いにくい」ジンバルでした。だからこそ、次に選ぶ機種ではマグネット装着や操作性が重要な判断基準になります。
次回はInsta360 Flowを実際に使ってみたら、またレビューを書いてみようと思います。ジンバル選びに迷っている方の参考になれば幸いです。



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