- はじめに:Garminが初心者向けラインをアップデートしました
- 「そもそもなぜForerunnerなのか? ── Garmin他シリーズとの決定的な違い」
- 【価格表】Garmin新ラインナップを整理。全モデル「8,000円以上」の値上げをどう見るか?
- スペック比較:数字で見る5モデル
- Forerunner 70 徹底検証:4万円で「トレーニングレディネス」が手に入る衝撃と、唯一の懸念点。
- Forerunner 170 / Music:Suicaが必要ならここから。でも、その「追加料金」は妥当か?
- Forerunner 165:実は今が「買い時」かもしれません
- 禁断の対決:COROS PACE 4 vs Garmin Forerunner 70。スペックで選ぶか、体験で選ぶか。
- Forerunner 265ユーザーとして正直に思うこと
- 筆者の本音:Forerunner 70で迷うくらいなら、最初からFR570を選んで「5年使い倒す」のが最速の近道。
- 結論:誰が何を買うべきか
- 最後に:GarminとCOROSは重視している価値が違います
はじめに:Garminが初心者向けラインをアップデートしました

2026年5月13日、GarminはForerunnerシリーズの新モデル「Forerunner 70(以下FR70)」と「Forerunner 170(以下FR170)」「Forerunner 170 Music」を発表しました。


日本での発売日は5月28日(木)、予約開始は5月21日(木)です。
- Garmin新モデルの立ち位置: Forerunner 70 / 170が、旧モデル(FR55 / 165)からどう進化したのか、値上げに見合う価値はあるのかが分かります。
- COROS PACE 4との実力差: スペック数値だけでは測れない「GPS精度・バッテリー・操作感」のリアルな違いが見えます。
- 自分に最適な一台の選び方: 「4万円の予算」「Suicaの有無」「5年使い倒すスペック」など、重視するポイント別の最適解を提示します。
- 2台持ちランナーの結論: Garmin 265とCOROS PACE 4を併用する筆者が、今あえてGarminのエントリー帯を選ぶ理由、あるいは選ばない理由を本音で語ります。
この発表で一番驚いたのは、Forerunner 165(以下FR165)が「旧モデル」になったということです。
FR165は、発売以来「コスパの高いGarmin」として多くのランナーに支持されてきたモデルです。

出典:https://www.garmin.co.jp/
それが2年ちょっとで後継に道を譲ることになりました。
私はGarmin Forerunner 265(以下FR265)とCOROS PACE 4の両方を日常的に使っています。
Garminのエコシステムにはどっぷり浸かりつつ、COROSの軽さとバッテリー持ちにも惚れています。
そんな「両方使っている」立場から、FR70 / FR170シリーズがCOROS PACE 4に対してどれだけ魅力的なのか、あるいはそうでないのか。
スペック表だけでは見えない「使ってわかること」も交えながら、徹底的に解説していきます。
「そもそもなぜForerunnerなのか? ── Garmin他シリーズとの決定的な違い」
Garminには Venu(スマートウォッチ寄り)やvivoactive(ライフスタイル寄り)など複数のシリーズがありますが、ランナーがForerunnerを選ぶべき理由は明確です。
物理ボタンが5つあること。これに尽きます。
Forerunnerは左側面に3つ、右側面に2つの物理ボタンを備えています。

スタート/ストップ、ラップ、画面切り替え——走りながらの基本操作がすべてボタンで完結します。
これの何が良いかというと、ブラインドで操作できることです。
走行中に画面を注視してタッチ操作する必要がありません。
信号待ちでの一時停止、インターバルのラップ取り、ワークアウトの切り替え。指先の感覚だけで完了します。ストップウォッチと同じ感覚です。
もちろんタッチスクリーンにも対応しているので、普段使いでは画面スワイプでスクロール、走行中は物理ボタンと、場面に応じて使い分けられます。
VenuやvivoactiveはタッチUI主体でボタンが少ない設計です。

右上:アクションキー/右真ん中:BACKキー/右下:カスタム・音声アシスタントキー
出典:https://www.garmin.co.jp/

右上:STARTキー/右下:BACKキー
出典:https://www.garmin.co.jp/
日常のスマートウォッチとしては洗練されていますが、走りながらの操作性ではForerunnerに及びません。
【価格表】Garmin新ラインナップを整理。全モデル「8,000円以上」の値上げをどう見るか?

まず、今回のライン再編を整理しておきましょう。
旧→新の対応関係
| 旧モデル | → | モデル | 価格変動 |
|---|---|---|---|
| Forerunner 55(¥32,000) | → | Forerunner 70(¥39,800) | +¥7,800 |
| Forerunner 165(¥39,800) | → | Forerunner 170(¥47,800) | +¥8,000 |
| Forerunner 165 Music(¥44,800) | → | Forerunner 170 Music(¥55,800) | +¥11,000 |
ひと目でわかる通り、価格は全体的に上がっています。
Forerunner 55→Forerunner 70で約8千円、Forerunner 165 Music→Forerunner 170 Musicに至っては1万円以上の値上げです。
Garminがこの値上げに見合うだけの機能を乗せてきたのか。
それが今回の最大の論点になります。
Garmin公式は今回のモデルを「初めてのランニングウォッチ」と明確に位置づけています。
プレスリリースでも「ランニング初心者やファンランナー向け」と打ち出し、初心者向けの新機能を前面に押し出してきました。
つまりGarmin自身が「このモデルの競合はCOROSやApple Watchの初心者向けモデル」と認識しているということです。
スペック比較:数字で見る5モデル
本題に入る前に、今回の記事で比較する5モデルのスペックを一覧にまとめました。
特に注目したい項目を太字にしています。
| 項目 | FR70 | FR170 | FR170 Music | FR165(参考) | COROS PACE 4 |
|---|---|---|---|---|---|
| 価格(税込) | ¥39,800 | ¥47,800 | ¥55,800 | ¥39,800 | ¥36,300 |
| 発売日 | 2026/5/28 | 2026/5/28 | 2026/5/28 | 2024/3 | 2025/12 |
| 重量 | 40g | 41g | 41g | 39g | 40g/32g |
| 画面サイズ | 1.2″ AMOLED | 1.2″ AMOLED | 1.2″ AMOLED | 1.2″ AMOLED | 1.2″ AMOLED |
| 解像度 | 390×390 | 390×390 | 390×390 | 390×390 | 390×390 |
| バッテリー(スマートウォッチ) | 約13日 | 約10日 | 約10日 | 約11日 | 約19日 |
| バッテリー(GPS) | 約23時間 | 約20時間 | 約20時間 | 約20時間 | 約41時間 |
| バッテリー(マルチGNSS) | 約16時間 | 約14時間 | 約14時間 | — | — |
| バッテリー(セーブモード) | 約28日間 | 約19日間 | 約19日間 | — | — |
| バッテリー(音楽再生GPS) | — | — | 約6.5時間 | — | — |
| GPS方式 | マルチGNSS | マルチGNSS | マルチGNSS | マルチGNSS | マルチバンド(2周波) |
| 心拍センサー | Elevate Gen 4 | Elevate Gen 4 | Elevate Gen 4 | Elevate Gen 4 | 次世代光学式 |
| 気圧高度計 | ✕ | ◯ | ◯ | ✕ | ✕ |
| コンパス | ✕ | ◯ | ◯ | ✕ | ✕ |
| ジャイロセンサー | ✕ | ◯ | ◯ | ✕ | ✕ |
| 温度計 | ✕ | ◯ | ◯ | ✕ | ✕ |
| Suica / 決済 | ✕ | ◯ | ◯ | ✕ | ✕ |
| 音楽保存 | ✕ | ◯ | ◯ | ✕(Musicモデルのみ) | ◯(4GB) |
| 内蔵メモリ | 512MB | 4GB | 4GB | 不明 | 4GB |
| ランニングダイナミクス | ◯(手首) | ◯(手首) | ◯(手首) | ◯(手首) | ◯(手首) |
| GCTバランス | HRM要 | HRM要 | HRM要 | HRM要 | ✕ |
| ランニングパワー | ◯ | ◯ | ✕ | ✕ | ◯ |
| トレーニングレディネス | ◯ | ◯ | ◯ | ✕ | ◯相当 |
| トレーニングステータス | ◯ | ◯ | ◯ | ✕ | ◯相当 |
| PacePro | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ✕ |
| リアルタイムスタミナ | ◯ | ◯ | ◯ | ✕ | ◯ |
| レースウィジェット | ◯ | ◯ | ◯ | ✕ | ✕ |
| クイックワークアウト【NEW】 | ◯ | ◯ | ◯ | ✕ | ✕ |
| 初心者Garminコーチ【NEW】 | ◯ | ◯ | ◯ | ✕ | ✕ |
| イブニングレポート【NEW】 | ◯ | ◯ | ◯ | ✕ | ✕ |
| カラー展開 | 6色 | 2色 | 4色 | 2色 | 5色 |
| 音声記録 / マイク | ✕ | ✕ | ✕ | ✕ | ◯ |
| オープンウォーター | ✕ | ◯ | ◯ | ✕ | ✕ |
| Connect IQ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ✕ |
| 防水 | 5ATM | 5ATM | 5ATM | 5ATM | 5ATM |
Forerunner 70 徹底検証:4万円で「トレーニングレディネス」が手に入る衝撃と、唯一の懸念点。
◎良い点
トレーニングレディネスとトレーニングステータスが4万円台で使える
今回最大のトピックがこれです。

トレーニングレディネス(今日トレーニングすべきかどうかの指標)とトレーニングステータス(トレーニングの長期的な効果判定)は、これまでForerunner 265やForerunner 570といった上位モデルに搭載されていた機能です。
それが39,800円の機種にも搭載されました。
FR265ユーザーとして言わせてもらうと、トレーニングレディネスは「あると便利」程度ではなく、日々の練習判断を変えるレベルの機能です。
トレーニングを計画的に進めているランナーにとっては、HRVステータスと合わせて「今日はポイント練習をしていいのか、Easyに切り替えるべきか」の判断材料になります。
これが4万円前後で使えるようになったのは、Garminを使い始めたい人にとって朗報です。
ランニングパワー&ダイナミクスが手首で完結
ランニングパワー(手首ベース)とランニングダイナミクス(ピッチ、歩幅、接地時間など)といったデータがウォッチ単体で計測可能となります。
旧FR55では外部センサーが必要だったため、ここは大きな進化です。
【NEW】初心者特化のGarminコーチ&クイックワークアウト
今回のプレスリリースで注目したいのが、初心者向けに特化した新機能です。

Garminコーチに初心者用メニューが追加され、ラン&ウォークを含むパーソナライズされたトレーニングが提案されるようになりました。
さらに「クイックワークアウト」という新機能では、2〜3の項目を選ぶだけでインターバルトレーニングが自動生成されるとの事。
デジタル機器が苦手な人でも、画面を数回タップするだけでメニューが作れるのは、初心者にとって心強い機能です。
FR265でもGarminコーチは使えますが、初心者に対してここまでハードルを下げた設計は今回が初めてです。
「これからランニングを始めたい」という人への訴求力は、COROS PACE 4にはない明確な強みだと思います。
【NEW】イブニングレポート&リアルタイムスタミナ
モーニングレポートに加えて、イブニングレポートが新たに搭載されました。

日中のヘルスケアやトレーニングデータをもとに、今晩の必要な睡眠時間や明日のトレーニングプランを提案してくれます。
また、リアルタイムスタミナも搭載。
走行中に現在のスタミナ残量がリアルタイムで表示されるので、後半のペース配分に役立ちます。レースウィジェットと組み合わせれば、レース当日の戦略を立てやすくなります。
これらの機能が39,800円の機種に搭載されるのは、Garminがこの価格帯を重視していることを示しています。
バッテリー13日 / GPS 23時間は優秀
エントリークラスとしてはバッテリーが強いです。
特にGPSモード23時間は、同時発売のFR170(20時間)より長くなっています。
これはFR70にはセンサー類(高度計、コンパス、ジャイロ、温度計)が載っていない分、省電力で済んでいるためと思われます。
△気になる点
GPSの仕様には差がありそうです。
ここがFR70で一番気になるところです。
FR70 / FR170の公開スペック表では、「GNSSマルチバンド」の記載は見当たりません。
一方、FR265のスペック表には同じ項目が明記されています。また、COROS PACE 4は公式に「全システム+二周波GPS」と記載しています。
少しわかりにくいので整理すると、「マルチGNSS」と「マルチバンド」は別の話です。
マルチGNSSは使う衛星システムの数の話(GPS・GLONASS・Galileo・BeiDou・みちびきなど)で、マルチバンドは各衛星から受信する電波の周波数帯の話です。
マルチバンド対応だと、ビル街などで建物に反射した電波をフィルタリングしやすくなり、精度が上がるとされています。
FR70 / FR170は複数の衛星システムに対応していますが、公開情報上はPACE 4やFR265と同等のGPS仕様とは言い切れません
ただし、ここには補足が必要です。GPSウォッチの権威あるレビュアーDC Rainmakerは、Garminのマルチバンド非対応GPSはアンテナ設計とファームウェアの完成度が高く、他社のマルチバンド対応機に匹敵する精度を出していると繰り返し報告しています。
一部レビューでは、FR70のGPS精度は良好と報告されています。
つまり、スペック表だけで見るとPACE 4やFR265が優位ですが、実使用ではFR70でも十分な精度が出る可能性が高いというのが現時点での評価です。
気圧高度計なし → 獲得標高がGPS推定のみ
高低差のあるコースを走るランナーにとって、これは地味に痛いです。
気圧高度計がないと、獲得標高の精度はやや落ちやすくなります。
音楽保存とキャッシュレス決済(Suica)の注意点
FR70を選ぶ際に注意したいのが、「音楽保存」と「Suica」に対応しない点です。
ライバル機であるCOROS PACE 4との実質的なコスト差を考えると、ここは少し慎重に比較する必要があります。
音楽機能の比較(スマホなしで音楽を聴きたい場合)
COROS PACE 4は、36,300円の標準モデルで音楽保存に対応しています。一方、ガーミンで音楽を聴きながら走りたい場合、FR70には機能がないため、最安でもForerunner 170 Music(¥55,800)を選ぶ必要があります。その差額は¥19,500となり、コストパフォーマンスの面ではカロスの優位性が際立ちます。
Suica機能の比較(手首だけでコンビニ決済をしたい場合)
「ランニング中にスマホを持たず、水を買ったり電車に乗ったりしたい」という人に必須のSuica機能ですが、FR70には搭載されていません。ガーミンでSuicaを使いたければ、ワンランク上のForerunner 170(¥47,800)以上を選ぶ必要があり、¥8,000の追加出費になります。ちなみに、ライバルのCOROS PACE 4にはそもそもSuica機能自体がありません。
つまり、「音楽を重視するならCOROS PACE 4」、「手首でSuica決済をしたいならGarmin Forerunner 170以上」という割り切りになります。
Forerunner 170 / Music:Suicaが必要ならここから。でも、その「追加料金」は妥当か?

Forerunner 170(47,800円)で何が変わるか
FR70との差分は明確で、以下の4点が追加されます。
- 気圧高度計 + コンパス + ジャイロ → 獲得標高やトレイル用途で有利
- Suica / Garmin Pay → ランニング中のキャッシュレス決済
- オープンウォータースイム対応 → トライアスロン志向の人向け
- 内蔵メモリ4GB → FR70の512MBから大幅増
特にランナーにとってはSuicaと気圧高度計の2つが実用的な差で、この2つのために8,000円の差額を払う価値があるかどうかが判断基準になります。
Forerunner 170 Music(¥55,800)は誰のためか
FR170にオフライン音楽再生機能を追加したモデルです。
Wi-Fi接続に対応しているため、ウォッチ単体で音楽同期やソフトウェアアップデートがしやすくなります。
スマホなしで音楽を聴きながら走りたい人向けですが、¥55,800はもはやエントリーとは呼べない価格帯です。
COROS PACE 4なら¥36,300で音楽保存に対応しています。
差額は約2万円。
この2万円で手に入るのは「GarminのSuica」と「Garminエコシステムへのフルアクセス」です。
これに2万円の価値を見出せるかどうかは、完全にその人の使い方次第です。
Forerunner 165:実は今が「買い時」かもしれません

ここで見落としがちですが重要な話をさせてください。
FR165は、現時点ではなお比較対象として残っています。
今後、在庫状況によってはセール価格で手に入る可能性があります。
FR165のスペックを改めて見ると:
- 1.2″ AMOLED、390×390
- GPS 20時間
- 重量39g
- ランニングダイナミクス対応
トレーニングレディネスとトレーニングステータスは非対応ですが、それ以外のランニング機能はしっかり揃っています。
もしFR165が3万円前後で買えるなら、FR70より安く、実用上かなり近い選択肢になります。
しかもFR70にない「すでに多くのレビューと実績がある安心感」もあります。
結論:FR165を探しているなら、今のうちにセール品を確保しておく手はあります。
ただし、トレーニングレディネス/ステータスが欲しいなら話は別です。
この2つの機能はFR165にはなく、FR70 / FR170には搭載されています。この差をどう見るかがポイントになります。
禁断の対決:COROS PACE 4 vs Garmin Forerunner 70。スペックで選ぶか、体験で選ぶか。


ここからが本記事の核心です。
COROS PACE 4は、2025年に発表された36,300円のランニング特化型GPSウォッチです。
Forerunner 70 / 170より安く、いくつかの項目では上回るスペックを持っています。
PACE 4が勝っている点

① GPS仕様の差
PACE 4は公開情報上、二周波GPSに対応しており、36,300円で手に入るのは大きな魅力です。
一方、FR70 / FR170の公開スペック表では、マルチバンドの記載は見当たりません。
GarminでマルチバンドGPSを使いたければ、FR265(¥53,800)以上が必要です。
GPS精度はランニングウォッチで最も大事な機能です。
ペース表示、距離計測、ラップタイムの信頼性がすべてここにかかっています。
前述の通り、Garminのマルチバンド非対応GPSでも実用上は高い精度が報告されていますが、スペック上の優位はPACE 4にあります。
② バッテリー:大きな差
| モード | FR70 | FR170 | PACE 4 |
|---|---|---|---|
| スマートウォッチ | 13日 | 10日 | 19日 |
| GPS | 23時間 | 20時間 | 41時間 |
PACE 4のGPSモード41時間は、FR70の約1.8倍、FR170の約2倍です。
フルマラソンの練習で3〜4時間走っても余裕があり、充電頻度がまったく変わってきます。
日常使いでも、PACE 4の19日間は「週1回の充電」で済むレベルです。
FR170の10日間だと「週に2回は充電を意識する」ことになります。
③ 音楽保存が¥36,300で手に入る
PACE 4は4GBの音楽保存に標準対応しています。
Garminの新モデルで音楽保存に対応しているのはFR170 Music(¥55,800)のみ。
FR70やFR170には音楽保存がないため、音楽を聴きながら走りたい人にとってはPACE 4のほうがシンプルに選びやすいです。
④ 重量:ナイロンバンドなら32g
シリコンバンド装着時は40gでFR70と同等ですが、ナイロンバンドに変えれば32gになります。
この8gの差は、フルマラソンを走り込む距離が長くなるほど効いてきます。
⑤ 価格:全モデルより安い
FR70(¥39,800)より¥3,500安く、FR170(¥47,800)より¥11,500安い。
にもかかわらず上記①〜④でPACE 4が上回っています。価格差を考えると、PACE 4の優位性は大きいです。
Garmin Forerunner 70 / Forerunner 170が勝っている点

① Garminエコシステムの強み


ここはスペック表だけでは見えない、実用上の大きな差だと思っています。
Garmin Connectの分析力、Connect IQによるカスタマイズ性、サードパーティアプリとの連携の幅など。
COROSアプリとTraining Hubも優秀ですが、エコシステムの「厚み」ではGarminが一歩先を行っています。
私自身、FR265で蓄積したGarmin Connectのデータは何年分にもなります。
トレーニング履歴、VO2 Maxの推移、レース予想タイム、睡眠スコアの蓄積。
これらを活用したアドバイスの質は、データの蓄積が進むほど高まりやすくなります。
「新しくGarminを始める人」にはこの差は見えにくいですが、「Garminから離れる人」にとってはこの資産を手放すことになります。
② Suica(Forerunner 170以上・日本国内向けモデル)

これはGarminの主要な差別化要素のひとつであり、COROSにもApple Watch以外のランニングウォッチにもほとんど搭載されていません。
ランニング中にスマホを持たず、手首だけでコンビニの買い物や電車に乗れる。
この体験は一度味わうと手放しにくくなります。FR265でSuicaを使っている身としては、これだけのためにGarminを選ぶ理由になり得ると感じています。
ただし、Suica対応はFR170(¥47,800)以上。FR70にはありません。
③ トレーニングレディネス / ステータスの実績
COROSにも「トレーニングステータス」に相当する機能はありますが、GarminのトレーニングレディネスはHRV・睡眠・リカバリー・トレーニング負荷を統合した判断指標として、長年のアップデートを重ねてきた機能です。
特に「おすすめワークアウト」との連携が秀逸で、レディネスのスコアに応じて自動的にメニューの強度が調整されます。
これはGarmin Connectの蓄積データと組み合わさることで真価を発揮する機能であり、新規ユーザーでも数週間使い込めばかなり精度が上がります。
④ 初心者サポートの厚み
今回の新機能「初心者用Garminコーチ」「クイックワークアウト」「イブニングレポート」は、いずれもCOROSにはない機能です。
特にクイックワークアウトは、2〜3項目を選ぶだけでインターバルメニューが自動生成されるので、トレーニング設計に不慣れな初心者にとっては大きなアドバンテージになります。
COROSも優れたトレーニング機能を持っていますが、「初心者の手を取って導く」という方向のサポートではGarminが一歩リードしている印象です。
Forerunner 265ユーザーとして正直に思うこと
ここからは完全に個人的な見解になります。
Forerunner 70 /Forerunner 170は「Forerunner 265の代わり」にはなりません

当たり前ですが、FR265ユーザーがFR70やFR170に乗り換えるメリットは限定的です。
FR265はマルチバンドGPS、気圧高度計、音楽保存、Suica、すべて揃っています。
FR70/FR170はこれらの一部しかカバーしていません。
ただし「初めてのGarmin」としてはForerunner 170は有力です
私が「最初のGarmin何がいい?」と聞かれたとき、これまでならFR165を勧めています。
今ならFR170(47,800円)を勧めやすいです。
理由は以下の通りです。
- トレーニングレディネス / ステータスが使える(FR165にはなかった)
- Suicaが使える(FR165にはなかった)
- 気圧高度計がある(FR165にはなかった)
- ランニングパワーが手首で取れる(FR165にはなかった)
FR165から4つもの重要機能が追加されています。
¥8,000の値上げは痛いですが、機能の伸び幅を考えると妥当だと感じます。
PACE 4が気になっている方にForerunner 70はお勧めしません

FR70は¥39,800でPACE 4(¥36,300)より高いのに、GPSのマルチバンド記載がない、バッテリーは短い、音楽は入らない。
PACE 4を知っている人にとって、FR70は「わざわざ高いお金を出して性能が下がる」選択になりかねません。
FR70を選ぶ理由があるとすれば、「どうしてもGarminを使いたい、でも予算は4万円まで」というケースです。
PACE 4のバッテリーは数字以上の安心感があります
これはスペック表の数字以上に大きいです。
PACE 4を使い始めてから、充電のことを考える回数が激減しました。
週に1回、風呂に入っている間に充電すれば、それで1週間以上持ちます。
週末のロング走(3時間前後)でもバッテリー残量を気にしたことがありません。
一方、FR265はGPSモード20時間。
普段使いなら問題ありませんが、常時表示をONにしていると4〜5日で充電が必要になります。
FR170の10日間(常時表示で4日間)はFR265と同程度です。
「充電を気にしない」という体験は、一度味わうと戻れなくなります。これは数字以上のインパクトがあります。
筆者の本音:Forerunner 70で迷うくらいなら、最初からFR570を選んで「5年使い倒す」のが最速の近道。
ここまでForerunner 70 / Forerunner 170の話をしてきましたが、最後にもうひとつ、私の鉄則を書かせてください。
Garminを買うなら、大は小を兼ねる、という考え方もあります。
FR265を3年使い続けてきて、つくづくそう思います。
ランニングウォッチは、スマホのように1〜2年で買い替えるものではありません。
電池が消耗するまで使い倒すなら、3〜5年は確実に使います。
私のFR265もすでに3年目に突入していますが、機能面で不満はありません。
Forerunner 265はもはや旧モデル。今から始めるならForerunner 570

FR265は2023年発売の名機ですが、2025年6月にその直系後継モデル「Forerunner 570(以下FR570)」が発売されました。
FR265にはなかった以下の進化が入っています。
- 第5世代光学心拍計(Gen 5) → 心拍精度が大幅に向上。FR265のGen 4とは計測の立ち上がりが違います
- アルミベゼル → 樹脂からアルミに変わり、質感がfenix 8クラスに
- スピーカー&マイク内蔵 → 音声コマンド、通話対応。走行中にボタンを触らずに操作できます
- 1.4インチ高輝度AMOLED → FR265の1.3インチより大きく、屋外でさらに見やすくなりました
- LEDフラッシュライト → 早朝・夜間ランの安全性が格段に上がります
- マルチバンドGNSS + SatIQ → FR265と同じマルチバンド対応で、SatIQにより衛星切り替えが最適化されています
そして注目すべきは価格です。
FR570は発売当初¥89,800でしたが、現在は公式定価が¥74,800に改定されています。
使っているうちに上位機種が気になる、よくある話
FR70を¥39,800で買った人が、半年後にSuicaが欲しくなってFR170(¥47,800)に、さらに音楽が欲しくなってFR170 Music(¥55,800)に……と段階的にアップグレードしたくなるケースは珍しくありません。
最初からFR570(¥74,800)を選んでおけば、マルチバンドGPS、音楽、Suica、高度計、スピーカー、最新心拍計——すべてが最初から揃います。
FR170 Music(¥55,800)+ 不足分を考えると、FR570との差額は実質2万円程度。
この2万円で「あとから買い替えたくなるストレス」から解放されるなら、最初から上を選ぶほうが結果的にコスパが良いです。
ただしCOROS PACE 4の¥36,300は別次元の話
ここで矛盾するようですが、「大は小を兼ねる」はあくまでGarminの中での話です。
PACE 4は¥36,300でマルチバンドGPS・41時間バッテリー・音楽保存が手に入ります。
Garminエコシステムが不要なら、PACE 4のコスパはFR570をもってしても崩せません。
つまり、選択は3つです。
結論:誰が何を買うべきか
長くなりましたので、最後に結論をまとめます。
COROS PACE 4がおすすめの人
スペックとコストパフォーマンスを重視するランナー
¥36,300という価格ながら、ガーミンでは上位機種にしか載っていない「マルチバンド(2周波)GPS」や「4GBの音楽保存機能」を標準装備しているモンスターマシンです。ハードウェアの純粋な性能だけで比較するなら、今回の新モデル全般を完全に圧倒しています。
充電の手間から解放され、ウルトラマラソンやロングランを楽しみたい人GPSモードで41時間、日常使いなら「週に1回、お風呂に入っている間に充電すればOK」という圧倒的なバッテリー持ちは、一度体験すると本当に戻れなくなります。ナイロンバンド装着時で32gという異次元の軽さも、フルマラソン後半の腕振りを確実にラクにしてくれます。「ガーミンのSuica機能やエコシステムは不要」と割り切れるなら、2026年現在も間違いなくこれが最有力候補です。
Forerunner 70がおすすめの人
「予算は4万円まで。でも、絶対にガーミンのエコシステムで走りたい」という人
これまで上位機種の特権だった「トレーニングレディネス」と「トレーニングステータス」が、¥39,800というエントリー価格で手に入るようになった最安モデルです。Garmin Connectに蓄積される精緻なデータ分析や、日々の体調に合わせた「おすすめワークアウト」の恩恵を受けたい人にとって、これ以上ない入門機になります。
これからランニングを本格的に始めたいランナー
今回の新機能である、ラン&ウォークに対応した「初心者用ガーミンコーチ」や、画面を数回タップするだけでインターバルメニューが作れる「クイックワークアウト」は、カロスのストイックな画面設計にはない、親切で頼もしいサポート力を持っています。ただし、GPSがマルチバンド非対応(1周波)である点や、Suica・音楽機能が完全に削られている点など、「あとから他の機能が欲しくなるリスク」だけは覚悟して選んでください。
Forerunner 170がおすすめの人
ガーミンの高度な分析データと、便利な「Suica決済」を両立させたい人
今回の新ラインナップの中で、最も実用的でバランスが取れているのがこのモデルです。エントリー機のFR70にプラス¥8,000(¥47,800)を支払うことで、待望の「Suica」と「気圧高度計」が手に入ります。スマホを持たずに手ぶらで走り、コンビニでサッと給水したり、万が一の時に電車に乗って帰ってこられる安心感は、このモデル以上だからこそ得られる特権です。
アップダウンのあるコースを走り、獲得標高をできるだけ正確に記録したい人
気圧高度計が搭載されているため、横浜〜鎌倉方面のトレイルや起伏のあるコース、あるいは橋の坂道などでも正確な斜度・獲得標高をログに残せます。「家族や友人に、失敗しない最初のガーミンを勧めるならどれ?」と聞かれたら、私は間違いなくこのFR170を推します。
Forerunner 170 Musicがおすすめの人
「スマホ完全手ぶら」で、音楽もSuicaもガーミンの分析もすべて妥協したくないランナー
スマホを持たずに、お気に入りのプレイリスト(SpotifyやAmazon Musicなど)を聴きながら走り、途中のコンビニでSuicaを使ってスマートに給水する。そんな「ストレスフリーなランニング体験」をガーミンの強力なエコシステムと共に完結させたい人向けの全部入りモデルです。
ただし、予算的にあと2万円(¥74,800)を出せるなら、筆者イチオシの上位機種「Forerunner 570」も絶対にチェックしてください。
¥55,800という価格はエントリー帯としては高額です。あと少し投資してFR570にすれば、より高精度なマルチバンドGPSや第5世代心拍センサー、高級感のあるアルミベゼルが手に入り、3〜5年使い倒すことを考えると結果的にコスパが高くなります。
Forerunner 570がおすすめの人(筆者イチオシ)
「一度買ったら、バッテリーが寿命を迎えるまで5年は使い倒す」と決めている本気ランナー
ランニングウォッチは1〜2年で買い替えるものではありません。FR170 Music(¥55,800)に約2万円を上乗せすれば、発売後に価格改定が入って手が届きやすくなった最新上位モデル(定価¥74,800)が手に入ります。第5世代光学心拍計による圧倒的な計測精度、音声通話もできるスピーカー&マイク、夜間ランの安全を高めるLEDフラッシュライト、そして完璧なマルチバンドGPS(SatIQ対応)と、まさに非の打ち所がないスペックです。
サブ3.5やサブ3など、本気で自己ベストを更新したい中上級ランナー
スピードを追い込むフェーズにおいて、ビル街やトラックでも1kmのラップが絶対にブレない「マルチバンドGPS」の精度は必須です。FR70やFR170を買ったあとに「やっぱり上位機種にしておけばよかった……」と買い直すのが一番もったいないので、走るモチベーションが高い人ほど、最初からこのFR570を選んでおくのが結果的に最も賢いお買い物になります。
Forerunner 165が狙い目の人

「トレーニングレディネス」は不要で、とにかく安く実績のあるガーミンを手に入れたい人
新モデル(FR70/170)の登場に伴い、型落ちとなったFR165は在庫処分のセール対象になりやすく、市場価格が3万円前後まで下がる可能性があります。「今日の疲労度(レディネス)」をウォッチに教えてもらわなくても、自分の感覚で練習メニューを組み立てられる自立したランナーにとって、これほどコスパの良い選択肢はありません。
「安い予算で、どうしてもSuica機能が欲しい」という人
新しいエントリー機のFR70(¥39,800)にはSuicaが載っていません。もし型落ちのFR165が3万円前後で買えるなら、新製品のFR70よりも安くSuica対応ガーミンが手に入るという「逆転現象」が起きます。在庫限りの早い者勝ちにはなりますが、見つけたら即確保レベルで狙い目の選択肢です。
最後に:GarminとCOROSは重視している価値が違います
今回の記事を書きながら改めて感じたのは、GarminとCOROSでは重視しているポイントが異なるということです。
COROSはハードウェアのスペック / コスパで勝負しています。 マルチバンドGPS、41時間バッテリー、32gの軽さ、¥36,300。スペックシートだけを見ればPACE 4が優位に見えます。
Garminはエコシステムとソフトウェアの深さで勝負しています。 Garmin Connect、Connect IQ、Suica、PacePro、Garminコーチ、Physio TrueUp。ハードのスペックでは測れない「使い続けることで価値が増す」世界観を作っています。
どちらが「正解」かは、その人の使い方によります。
スペックとコスパで選ぶならPACE 4。
エコシステムの恩恵を最大限に受けたいならGarmin。
そしてGarminを選ぶと決めたなら、FR70やFR170で妥協するより、FR570を最初から選んで長く使うのは、ひとつの合理的な選び方です。






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