クロスバイクの使い心地や見た目を大きく変えられるカスタマイズといえば「ハンドル交換」です。
以前当ブログで公開した「TREK FX4 Discのハンドルカスタマイズ記事」は、多数の皆様からのアクセスをいただいております。
今回はその続編とも言えるシリーズです。
私が実際に使用しているTREK FX4 Discをベースに、ハンドルバーの形状や幅を再考する過程を記録していきます。
ここ最近では「ワイド幅のライザーバー」や「スイープバー」がトレンドとして注目されており、見た目の印象だけでなく、実際の乗り心地にも違いが出ます。
ただし、選択肢が多すぎてどれを選べばよいかわからないという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、TREK FX4 Discのようなクロスバイクにおすすめのハンドルバーを、ライザーバー・スイープバー・プロムナードバーの3タイプに分けて、特徴や選び方のポイントを整理しながら紹介していきます。
クロスバイクの「ハンドル幅」と「形状」に注目した理由
ここ数ヶ月で、私のクロスバイク(TREK FX4 Disc)はタイヤとハンドルバーグリップを変更してきました。
いずれも、街乗りや軽いフィットネス用途での快適性を意識したカスタマイズです。
その流れで次に注目したのが、「本来のポジションに近いハンドルバーの再考」です。標準装着されているBontrager Satellite Plus IsoZoneは、ほどよいライズがあり、見た目・操作性ともに完成度が高いと感じています。
しかし、カスタマイズで印象がガラッと変わるのがハンドルバーの魅力。今回は実用性を損なわずに「気分を変える」カスタムとして、交換に踏み切ることにしました。
最近ではワイド幅のライザーバーやスイープバー、プロムナードバーといった個性ある形状が、街中でも目立つようになっています。特にピスト系カスタムにおいては「見た目のインパクト」を意識したパーツ選びが人気を集めている印象です。
ただし見た目だけでなく、操作性や快適性がどう変わるのかという視点も重要。
今回は「TREK FX4 Discに合う実用的なハンドルカスタム」をテーマに、ライザーバー・スイープバー・プロムナードバーの3タイプを比較しながら検討していきます。
ハンドルの「幅」と「スイープ角」が走りやすさを左右する
ハンドル交換の際に意識したいのが、「幅」と「バックスイープ角(後ろ方向の曲がり)」です。
出典:https://www.amazon.co.jp/
特にクロスバイクのように街乗りとスポーツ性のバランスを取ったモデルでは、ハンドル幅が体格や走り方に合っているかが非常に重要です。
幅の目安としては、道交法の制限(全幅600mmを超えると原付とみなされる可能性がある)を念頭に置きつつも、実際には650〜720mm程度の幅を探ってみたいと思います。
また、スイープ角が大きくなるほど、腕が自然な角度に近くなり、長時間のライドでの疲労軽減につながります。
おすすめライザーバー 4選(ピスト系/MTB系)
出典:https://brotures.com/
ライザーバーは、バー中央から両端に向けて緩やかに上がる形状が特徴です。
もともとはマウンテンバイク向けに設計されたものですが、ピストバイクなどのストリート系カスタムで再評価されつつあります。
特に700〜780mmのワイド幅と、20〜30mm程度のライズ量を持つモデルは、ハンドリングの安定感を増しつつ、ルックスにも個性を与えてくれます。
TREK FX4 Discに標準装備されているBontrager Satellite Plus IsoZoneも定評あるライザーバーのひとつです。
今回はあえてそれとは異なり、また違ったカスタム感がより明確に出るタイプを探してみることにしました。
1. NITTO for shred bar(ピスト系)
出典:https://brotures.com/
長年にわたってピストバイク界隈で圧倒的な支持を集めているのNITTOブランド。
シンプルかつ細身のルックスで、スチールフレームとの相性はもちろん、最近流行の極太アルミフレームに合わせても美しくまとまります。
幅は750mmと広めで、3°のバックスイープ角。絶妙な曲がり具合が手首への負担を軽減し、リラックスしたポジションを取りやすいのも特長です。
- 素材:アルミニウム
- 幅:750mm
- ライズ:25mm
- クランプ径:31.8mm
- グリップ径:22.2mm
- 重量:360g
- アップスイープ:6°
- バックスイープ:3°
2. by BROTURES wide low riser(ピスト系)
出典:https://brotures.com/
ピスト・ストリートカスタム界隈で支持される、BROTURESオリジナルのロウライザーバー。
幅は720mmとしっかりワイドで、ライズは20mmと若干抑えめ。
前傾すぎずアップライトすぎない絶妙なポジションが期待できそうです。
マットブラックの落ち着いた外観と控えめなロゴデザインで、街乗り中心のクロスバイクにも違和感なく装着できそうです。
見た目の印象を変えつつも、派手すぎずスマートに仕上げたい方におすすめです。
- 素材:アルミニウム
- 幅:750mm
- ライズ:25mm
- クランプ径:31.8mm
- グリップ径:22.2mm
- 重量:360g
- アップスイープ:6°
- バックスイープ:3°
3. THOMSON ALUMINIUM RISER BAR(MTB系)
出典:https://www.mizutanibike.co.jp/
THOMSON(トムソン)は圧倒的な精度と剛性を誇る、MTBブランドの老舗です。
航空宇宙産業で培った技術をMTBバーツにフィードバックしており、その信頼性はお墨付き。
材質は、剛性、耐久性ともに航空宇宙産業でも定評ある7050アルミニウム合金を使用しています。
ラグジュアリーな質感と所有感はもちろん、クロスバイクの走行性能をワンランク引き上げてくれること間違いなしのモデルです。
ハンドル幅は800mmあるので、好みに合わせて細かな調整も可能。
- 素材:7050アルミニウム合金
- 幅:800mm
- ライズ:12mm
- クランプ径:31.8mm
- アップスイープ:5°
- バックスイープ:9°
4. Funn Full On Riser(MTB系)
出典:https://funnmtb.com/
コストパフォーマンスを最重視したい方におすすめのエントリーモデル。
ハンドル幅は785mmと十分にワイドなモデル。
6061アルミニウム合金を使用しており、剛性や仕上がりも価格を上回る出来栄えとなっており、信頼性も十分。
カラーバリエーションが豊富なのも魅力で、クロスバイク全体の印象をカラーから変えてみたいという方におすすめです。
「まずはライザーバーってどんな感じか試してみたい」というエントリーユーザーにもおすすめしやすい1本といえます。
- 素材:6061アルミニウム合金
- 幅:785mm
- ライズ:15mm
- クランプ径:31.8mm
- 重量:345g
- アップスイープ:5.5°
- バックスイープ:8°
スイープバー・プロムナードバーも選択肢に入れる理由
スイープバーやプロムナードバーは、よりリラックスしたポジションを求める方に適しています。
- スイープバーは、10〜30°ほどの後方への曲がりがあり、自然な手首の角度を維持できます。
- プロムナードバーは、さらに前方に張り出す形状で、ゆったりとしたクルーザーポジションを取るのに最適です。
スイープバーやプロムナードバーは、これまでクランプ径が25.4mmのアイテムが大半で、最新のクロスバイクではステム交換が必要になるため、カスタマイズのハードルが若干高めでした。
近年はクランプ径31.8mmのパーツもラインアップされているので、ぜひ一度試してみたいところです。
スイープバー:リラックス感と自然なポジション
スイープバー(バックスイープバー)は、ハンドルバーの両端が後方へ大きく曲がった形状を持ち、自然な手首の角度と無理のないポジションを実現するのが最大の特長です。
特に長距離の街乗りや通勤・通学用途において、疲れにくさと快適性を両立させたい方に非常に相性が良いスタイルです。
見た目は一見地味に見えるかもしれませんが、角度の違いによる乗車姿勢の変化は大きく、実際に使ってみると体への負担の少なさに驚くはずです。
スイープバーのおすすめモデル
SOMA Osprey Bar
出典:https://www.somafab.com/
アメリカ・サンフランシスコ発祥のバイクブランド、SOMA FABRICATIONS(ソーマファブリケーション)の名作ともいえるオスプレイバー。
クラシックなクロモリバイクから、最新のアルミクロスバイクまで幅広く合わせられそうです。
バックスイープ40°の深い角度が、ナチュナルなポジションに貢献し、ライディングの疲労蓄積を軽減します。
見た目も主張しすぎず、どんなバイクにもなじむ質感。
価格は2万円台とかなりハードルが高いですが、他のバイクと一線を画すスタイルを求めたい方におすすめのアイテムです。
- 素材:6061アルミニウム合金
- 幅:710mm
- ライズ:12mm
- クランプ径:31.8mm
- 重量:400g
- バックスイープ:40°
Velo Orange Curvy Bar
出典:https://velo-orange.com/
滑らかな曲線が特徴的な、見た目にも柔らかく優しい印象のスイープバー。
クランプ径31.8mm、グリップ径22.2mmとクロスバイクとの互換性も高く、ハンドル幅も程よく抑えられており、街中での取り回しも快適です。
バックスイープは30°とリラックスしたポジションを自然にとれるのが魅力。
ゆったりとした街乗りスタイルや、カゴ付きバイクに合わせたカスタムにも向いています。
- 幅:650mm
- ライズ:12mm
- クランプ径:31.8mm
- グリップ径:22.2mm
- 重量:345g
- バックスイープ:30°
プロムナードバー:カジュアルで快適な街乗りスタイル
プロムナードバーは、歩道を流すようなスピード感と、景色を楽しむ余裕のあるポジションを求める方に向いたバー形状です。
両端が前方に湾曲してから手前に大きく戻る独特のデザインは、見た目にもクラシカルで優雅な雰囲気を与えます。
クロスバイクのようなスポーティな車体にあえてプロムナードバーを組み合わせることで、自分らしいスタイルを表現できる自由度の高いカスタムが楽しめます。
プロムナードバーのおすすめモデル
NITTO プロムナードバー B604AA-SSB-BK 東京サンエス別注仕様
出典:https://www.amazon.co.jp/
プロムナードバーといえばNITTO。
上質な曲げ加工と仕上げで高い人気を誇るモデルがラインアップされていますが、どれもクランプ径が25.4mmと最新のクロスバイクとの互換性がありませんでした。
今年4月の登場したこのモデルは、最新のクロスバイクにも対応するプロムナードバーとして、注目を集める別注品。
B604AAFをベースに、クランプ径を31.8mm、握りストレート部を160mmに変更した東京サンエス別注仕様です。
見た目も上品で、クラシックな印象を与えつつ、操作性も損なわないバランスのとれた1本です。
- 素材:アルミ合金焼き入れ
- 幅:530mm
- ライズ:68mm
- クランプ径:31.8mm
- グリップ径:22.2mm
- 重量:330g
【カスタマイズ時の注意】ハンドル幅と道路交通法の関係
ハンドルバーのカスタマイズにおいて、特にワイドなライザーバーやMTB系バーを選ぶ際には、ハンドル幅が「60cm(600mm)」を超えないように注意が必要です。
これは、道路交通法において「普通自転車」として認められるための条件の一つであり、外側から外側までの最大幅が600mm以下であることが求められます。
この制限を超えるハンドルを装着すると、たとえクロスバイクであっても「普通自転車」には該当せず、歩道の走行が禁止されるため、原則として車道のみを走行しなければならなくなります。
とくに都心部などで歩道走行を行うシーンが多い場合は、カスタム後のハンドル幅がこの規定に収まっているか、必ず確認しておきましょう。
なお、近年流行しているライザーバーやMTB系のバーには700mm〜800mmの幅を持つモデルもありますが、そのままではこの基準を超えてしまいます。
必要に応じてカットして使うか、60cm以内のモデルを選択することをおすすめします。
【もうひとつの注意点】中華製ノンブランドバーのリスク
ハンドルバーのカスタムは、見た目やライドフィールを大きく変える魅力がありますが、「あまりに安価すぎる製品」には注意が必要です。
近年、AmazonやAliExpressなどでよく見かける中華製のノンブランド系ハンドルバーの中には、安全性や剛性に不安のあるものが混在しています。特に以下のような点は注意すべきポイントです:
- 強度試験や規格への言及がない
- 素材や重量の記載が曖昧または虚偽
- レビューに「走行中に折れた」「固定力が弱い」といった報告がある
- 価格が極端に安く、保証やサポートが一切ない
ハンドルバーはライダーの体重と力が集中する、最も重要な安全パーツの一つです。
破損すれば転倒や事故に直結するため、コストを抑えたい場合でも、信頼できるブランドの製品を選ぶことを強くおすすめします。
とくにカーボン製のバーでその傾向は顕著です。**格安の中華カーボンバーは強度不安が大きく、初心者が手を出すにはリスクが高すぎます。
**金属製(アルミ合金など)であっても、製造精度が低いとクランプ部分の固定に不具合が出る可能性もあります。
「安くて見た目が良い」というだけで選ばず、レビューや使用実績、ブランドの信頼性を重視することが、快適で安全なカスタマイズにつながります。
まとめ:次回は実際にカスタムを実施!
今回は、ハンドルカスタムにおける基本的な考え方と、おすすめのバーをまとめて紹介しました。
次回は、これらの候補の中から実際に選んだハンドルバーを取り付け、ポジションや見た目の変化、走行感の違いについて詳しくレビューしていく予定です。
また、「クロスバイク ハンドル幅」に関する詳しい比較は、過去の記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。
コメント